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2006年10月 8日 (日)

舌が肥える

 「○○の秋」・・・読書、学問、スポーツ、行楽など、○○にはいろいろなことばが入ります。それだけ充実した生活をしやすい条件がそろっている季節なのでしょうね。

 この文を書いている今、空には皎皎(こうこう)、あるいは煌煌(こうこう)と満月が輝いています。「花鳥風月」とか「春花秋月」ということばがあるように、風流を愛(め)でるとき、月は大きな存在です。「名月を取つてくれろと泣く子かな」と一茶の句にありますが、とても一人の子に独占させられるものではありません。そんなことをしたらかぐや姫も立ち退きを迫られて困ってしまいます。

 さて、あまりに月が見事なので本題にはいるのが遅れました。「味覚の秋」「食欲の秋」にちなんで、「舌が肥える」について書きたかったのです。

 普通、「舌が肥える」とは、よほど美味な物しか口に合わなくなることをいいます。でも、ちょっと待ってください。贅(ぜい)をこらした山海の珍味、高級料亭の板前さんが工夫に工夫を重ねて提供する料理がおいしいのはむしろ当たり前ではないでしょうか。

 私は思うのです。いわゆる食通、現代風にいうとグルメ自慢の人は、おいしいのが当然のものしか口に合わず、おいしいと思えなくなっているのだから、美味だと感ずるものの幅がむしろ狭くなっているのではないかと。
 つまり、味覚の幅が狭くなっているのだから、それは肥えたのではなくて、「舌が痩(や)せた」のです。

 結論です。たいていの物を「おいしい、おいしい」と食べることができる人こそ、舌の肥えた人なのです。

 もっと言えば、素材が高級でなくても、作る人の愛・・・ビタミン愛が込められていることを感じながらおいしく食べることの出来る人こそ、「目が肥え」「舌の肥えた」人、人生の達人なのです。

聖書のことば 箴言(しんげん)17章1節

一切れのかわいたパンがあって、平和であるのは、ごちそうと争いに満ちた家にまさる。

  リビング・バイブルという大胆に分かりやすい表現をした聖書では、同じ箇所が次のように表現されています。

けんかしながら毎日ビフテキをぱくつくより、冷や飯を仲よく食べるほうがましです。

※ 箴言(しんげん)・・・広辞苑では下記の説明がされています。
1いましめとなる短い句。格言。
2旧約聖書中の一書。格言・教訓・道徳訓を多く含む。ソロモンの箴言。
 

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コメント

そのムーミンパパの指摘、我が家ではよく話題にのぼります。

そう思うと、私の父は「走召」グルメです。

投稿: 有加 | 2006年10月 8日 (日) 22時29分

あらためまして、素敵なブログの開設、おめでとうございます。ムーミンパパのやさしい目をとおして、日々の話題を示唆に富んだ味つけでご提供くださって、感謝をもって読ませていただいております。ムーミンパパ特製のスパイスはまるでマジック☆名シェフの心のごちそうをいただいて、最近「舌が肥えて」きたような気がします(^^)これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: まりこのママ | 2006年10月 8日 (日) 06時59分

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