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2006年10月17日 (火)

『寂寥三昧』から

「無 題」

あかつきの
しずけさ
ゆうぐれの
しずけさ
いかる日あれど
いかりなき
その日のうれしさ

「無 題」

みずが
ひとつのみちをみいでて
河となってながれてゆくように
わたしの このこころも
じざいなるみちをみいでて
うつくしくながれてゆきたい

「三つの秋」

きょねんは
水のおとがうれしかった
おととしは
空がうれしかった
ことしの秋は
まっ赤なさくらの葉がうれしい

『寂寥三昧』に収められているのは、1924年(大正13年)11月15日から11月23日の間に記された詩です。八木重吉は、1921年(大正10年)に東京師範学校の英文科を卒業し、兵庫県御影師範学校英語科教諭に任ぜられ、この頃から詩作に励み、キリスト教の信仰と詩の合一の生活を始めました。1922年に結婚。翌1923年に長女桃子が誕生。肺結核の発病は、1926年(昭和元年)3月のことでした。

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