こころ
おかあさまは
おとなで おおきいけれど
おかあさまの
おこころは ちいさい。
だって、おかあさまは いいました
ちいさい わたしで いっぱいだって。
わたしは こどもで
ちいさいけれど、
ちいさい わたしの
こころは おおきい
だって、おおきい おかあさまで、
まだ いっぱいに ならないで、
いろんな ことを おもうから。
ちょっと不思議な詩ですね。でも、(ああ、そうなんだなあ)と納得する思いへと導かれます。次の詩はどうでしょうか。
「蓮と鶏」
泥のなかから
蓮が咲く。
それをするのは
蓮じゃない。
卵の中から
鶏(とり)が出る。
それをするのは
鶏じゃない。
それに私は
気がついた。
それも私の
せいじゃない。
進化論と創造論の話をこの詩から展開することも出来そうに思うのですが、詩は詩として味わうのが本道というものでしょうね。今日で、金子みすゞシリーズを閉じさせていただきます。本名、金子テルが信濃の国の枕詞、みすずかるという言葉の響きにひかれて「金子みすゞ」の名が生まれたのだそうです。さて、明日からは、どんなシリーズを展開いたしましょうか。
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コメント
すてきなBGMですね!
投稿: かつみ | 2006年11月10日 (金) 22時54分