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2006年12月12日 (火)

「もみの木」アンデルセン

 サイト「福娘童話集」のお世話になって、アンデルセンの童話「もみの木」を紹介させていただきます。「続きを読む」のアンデルセンの紹介も同じサイトから転載させていただきました。

http://hukumusume.com/douwa/pc/world/12/16.htm

このサイトは、一年中毎日童話が紹介されており、また、毎日の誕生花と花言葉が紹介されているコーナーもあり、感服しています。お世話になり、ありがとうございます。

もみの木
アンデルセン童話 

 むかしむかし、ある森の中に、小さいもみの木がありました。
「あっ、ぼくの頭の上をまた、ウサギがとびこした。いやだな、はやく大きくなりたいな」
 もみの木は、上を見あげては大きい木をうらやましいと思いました。
 お日さまが、それを見ていいました。
「あせらないで、いつかいやでも大きくなるさ。それよりも、若い時をだいじにするといいよ」
 でも、小さいもみの木には、その意味がよくわかりません。
 クリスマスが近づくと、森の若い木が、つぎつぎにきられました。
「ねえ、スズメさん、あの木たちはどこへいくんだい?」
「あれは、クリスマス・ツリーになるのさ。キラキラしたモールや玉でかざられて、そりゃあ、きれいになるのさ」
「ふうん。ぼくも、はやくそんなふうになりたいなあ」
 それを聞いて、お日さまはいいました。
「このひろびろとした森で、おまえは若い時を、楽しんでおくといいよ」
 やがて、もみの木は大きくなり、美しいえだをひろげました。
 とうとう、ある年の冬、きこりがこのもみの木に目をとめました。
「やあ、クリスマス・ツリーにぴったりだ」
 もみの木はきられて、町に運ばれ、ある家に買われました。
 絵やおき物のあるりっぱな広問に、もみの木はおかれました。
「さあ、ツリーをかざろう、きれいにかざろう」
 子どもたちのはしゃぐ声が聞こえます。
 もみの木は、むねがドキドキしてきました。
「あっ、鈴がついたぞ。ロウソクもともった。サンタクロースの人形もいる。星もあるぞ」
 自分につけられるかざりに、もみの木は目をみはりました。
「メリー・クリスマス!」
 子どもたちは、ツリーのまわりで歌ったり、おどったり、そのにぎやかなこと。
 そして、みんなでクリスマスプレゼントのつつみをひらきました。
「わあい、いいな、うれしいな」
「これ、わたし、ほしかったの」
 しばらくして、子どもたちは、ツリーのかざりもわけてもらいました。
 鈴だの、モールだの、それぞれがすきなものをもらいました。
 つぎの朝、この家の使用人が、えだだけになったもみの木を屋根裏部屋にかたづけました。
「暗いし、ひとりでさびしいな。それに寒い」
 もみの木が、ブルッと身ぶるいした時です。
 ネズミがとび出してきました。
「あっ、もみの木さんだ。クリスマスはおわったね。ぼくたちに昨日の話を聞かせてよ」
「うん、じゃあ、聞いてね」
 もみの木は、少し元気が出てきました。
 クリスマスの話をいろいろしたあと、自分が育った森のこともはなしました。
「おもしろいね。それで? それから?」
 ネズミたちは、熱心に耳をかたむけました。
 でも、いく日かすると、あきてきて、
「もっとベつの話がいいよ。ベーコンやチーズがあるところはどこかとか」
「そんなことは、ぼく、知らないんだ」
「つまんないの、じゃあね」
 ネズミたちは、どこかへいってしまいました。
 もみの木は、また、ひとりぽっちです。
 ある日、使用人が屋根裏部屋にあがってきました。
 もみの木は、ひきずられて中庭へ出されました。
「ああ、花がさいている。鳥も歌っている。やっぱり外の空気はいいなあ。何かいいことが、おこりそうだ」
 もみの木は喜びましたが、それどころではありません。
 もみの木は、コーン、コーンと、いきなりオノできられて、まきにされてしまったのです。
 まきになったもみの木は、台所のかまどにくベられて、パシパシともえはじめました。
「ああ、何もかもおしまいだ。お日さまが若い時をだいじにしろといったのは、こういうことだったんだ」
 もみの木は、ふかいため息をつき、音をたててもえていきました。

おしまい

アンデルセン童話

 アンデルセンの童話がはじめて世にでたのは、1835年、アンデルセンが30歳のときでした。
 それは、「子供に話して聞かせるお話」というタイトルをもつ62ページのそまつな本で、「小クラウスと大クラウス」など3編の民話にもとづいた話と「小さいイーダの花」という創作童話がおさめられていました。
 アンデルセンの文名は、その1カ月前に発表した小説「即興詩人」によって、すでに高められたものの、童話は子供だましにすぎないとして、当時はあまり評価されていませんでした。
 しかし、子どもやまずしい人たちによって愛読されていることを知って、アンデルセンはそれ以後も童話を書きつづけるのです。
 そして、3冊目の童話集におさめられたアンデルセンの代表作である「人魚姫」によって、童話もすばらしい文学でありうることがみとめられ、アンデルセンは近代童話の確立者としての名声をえることになったのです。
 以来、40年間にわたって書きつがれた156編にものぼるアンデルセン童話は、グリム童話とならぶ童話の古典として、今なお全世界の子どもたちに読みつがれているのです。

聖書のことば

 あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に。

 伝道者の書 第12章1節

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