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2008年7月26日 (土)

よい楽器とは

 音楽科の学生さんたちの試験演奏というのを聴く機会がありました。現在までの到達点を学内で発表する機会と申しましょうか。21人が練習の成果を披露してくれました。バッハ、モーツアルト、ベートーヴェンリスト、ラヴェル、プロコフィエフ・・・曲に長短はありますが、どれも熱演 ・・・ 下手の横好きの私の及ぶところではありません。

 演奏に使用されたグランドピアノは ・・・ よく見ると「ベーゼンドルファー」・・・オーストリア製の名器です。ウイーンナートーンと呼ばれる美しい響きをもつピアノで、学生さんたちも、この日のような特別の機会に演奏を許可されるピアノなのだそうです。

 休憩をはさんで2時間ほどの会でしたが、私が学んだのは、「よい楽器は、ひたむきに積んだ練習には応えてくれるが、そうでないときには心を打つ響きを出してくれない」ということでした。

 いえ、先にも申しましたように、どの学生さんも私よりはるかに上手なのです。ただし、それはそれとして、ピアノが歌うときとそうでないときがあるのが感じられたのです。

 そのことから自分がピアノの先生にレッスンしていただくときのことに思いをめぐらしました。練習して、ある程度弾けるようになったつもりでレッスンに臨んだのに、いざ、先生に聴いていただこうとすると、たどたど、どたどた ・・・ あがるとか緊張するというのを差し引いても練習の時との落差がとても大きい曲があるのです。(というか、たいていの場合、そうなのです(^_^;

 その理由が、先の演奏会を聴かせていただいたことと思い合わせて解明できたように思います。

 先生のお宅のピアノは、先生の真摯に練習を積んだ演奏に慣れているのです。それで、その先生の域には取り組んだ時間も心構えもとうてい及ばない私が向かったとき、ピアノはその私の軽さ(体重のことではありません)をはじきとばしてしまうのです。

 それは、ピアノが意地悪で門前払いをするというのではなく、そのピアノに歌ってもらうだけのアプローチを私が出来ないということなのですね。

 このことから、よい楽器というのは、決して弾き手の練習不足を補って、いつもすばらしい音を奏でてくれる魔法の楽器のことではないことが分かりました。

 その楽器に向かった弾き手の人格や練習への構え、注ぎ込んだ正味の時間などなどを総体として感じ取り、それに見合った歌を歌ってくれる、努力したらそれを応援して一体となって音楽を奏でてくれる ・・・ それがよい楽器なのだ、そう学ばせていただいたように思います。 道はまだまだ遙か ・・・ でも、簡単に極められないからこそ、取り組む値打ちがあるのですよね。うーん・・・

 今日もよい日となりますように。

  

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コメント

こんにちは。
楽器のお話、昨日感じました。音楽棟で久しぶりにトロンボーンを吹いて、まったくいい音が出せない・・・なにせ1ヶ月近く吹いていなかったので。
中学校時の吹奏楽顧問から、一日練習しなかったら取り戻すのに2日かかる、と習ってきました。楽器は奏者の努力に比例して応えてくれる?と感じました笑。

今、オーケストラアレンジのラベル『亡き王女のためのパヴァーヌ』をきき虜になっていて、昨日ピアノ原曲の楽譜を買ってきました。
時間を見つけて練習をしようと思ってます。

※ ムーミンパパより  コメントをありがとうございます。私はピアノのほうは毎日1時間は練習していますが、若いときに吹いていたトランペットのほうは、体を鍛え直さないと周りの方にも自分自身にも耐えられない音しか出せない状態です。年齢が加わると上達は遅々としたものになり、少し練習しないと元の木阿弥になるのは早いということになってしまいます。ぜひ、お若い方々は時間を創りだして練習にお励み下さいますように。機会があれば、いつの日か、練習の成果をお聞かせください(^_^)

投稿: 学生 | 2008年7月26日 (土) 10時29分

 ピアノの練習がなかなかできません。早朝にラジオ体操に参加し、花壇の花に水やりをし、日誌や文書に押印します。草刈りもしますが、ピアノには向かえません。スリム化?を兼ねて体育館で居合の稽古をしました。久しぶりの居合刀は重く、20分で汗だく、息が上がります。ふと、目にしたのがステージ上のグランドピアノ。おなじみの曲を演奏してみると、練習していないのに意外に弾けました。ただ、汗で鍵盤に指が引っかかりがちになります。そのことだけに気がいって余計な考えがなかったから、割とスムーズだったのだと思います。
 家族旅行、職員旅行など、旅行が続きます。片山津・金沢・能登・輪島など北に向かいます。暑いからか、東海北陸道の全通のためか・・・とにかく楽しいものにしたいと思います。

※ 凛々しい居合い姿から一転ピアニストへ ・・・この二つを兼ねられる人は、全国広しといえど、そうは居ないでしょう。「無心流ピアノ道」の流祖を名乗られる日も近いかもしれませぬ。

 旅行、安全で楽しいものとなりますように。ムーミンパパより

投稿: kou. | 2008年7月26日 (土) 03時14分

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