« 詩人 茨木のり子 ーその1ー | トップページ | まど・みちお さんの詩 »

2008年8月16日 (土)

詩人 茨木のり子 ーその2ー

  昨日に引き続き、茨木のり子さんの詩を紹介させていただきます。

「自分の感受性くらい」  茨木のり子

 ぱさぱさに乾いてゆく心を 
ひとのせいにはするな 
みずから水やりを怠っておいて

 気難しくなってきたのを 
友人のせいにはするな 
しなやかさを失ったのはどちらなのか

 苛立つのを 
 近親のせいにはするな 
 なにもかも下手だったのはわたくし

 初心消えかかるのを 
  暮らしのせいにはするな 
そもそもがひよわな志にすぎなかった

 駄目なことの一切を 
  時代のせいにはするな 
 わずかに光る尊厳の放棄

 自分の感受性くらい 
  自分で守れ 
ばかものよ

◇ 最後の「ばかものよ」は強い響きなので、作者が自分自身に向かってこの詩を書き、自分を激励しているのだ ととるのが、気の休まる解釈です。

 でも、勇気を持って、自分の生き方、心の在り方をこの詩と正面から向き合って振り返るとき、新しい自分を切り拓くことができるかもしれませんね。

 以前、「くれない族」ということばが生まれました。「誰々が何々してくれない」という調子で自分の周囲が何々してくれないと不満ばかり言いつのって、自分は誰かのために何をしているのかという視点が欠如しているか、ひ弱いというか ・・・ そういう人をさしていることばでした。

 聖書はいいます。「自分のしてほしいようにあなたの隣人にもしなさい」

 戦争 ・・・ 多くの人が無念にも自分の望む生き方、したかったことをすることができずにその人生を閉じさせられました。

 その人たちに恥じない生き方を、自分の人生にしっかりと向き合うことで築いていきたいと思います。

 今日もよき日となりますように。

|

« 詩人 茨木のり子 ーその1ー | トップページ | まど・みちお さんの詩 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 詩人 茨木のり子 ーその2ー:

« 詩人 茨木のり子 ーその1ー | トップページ | まど・みちお さんの詩 »