逆転
歯医者さんに行くのは、あまり心弾むことではありません。
でも、大きな治療は終わって、歯茎の状態を診ていただくということになっていましたから、それほどプレッシャーを感じずにまいりました。
何しろ、孫娘に祖父が負けるわけにはいかないではありませんか。
しばらく前まで孫娘は、歯医者さんに向かう途中と帰り道では「アーン」ととてもお利口さんになって、こういうふうに口を開くんだね、と実演して見せたそうです。
それはとてもいいのですが ・・・ かんじんの歯医者さんの前では口をかんかんに結んでちらとも開かなかったのがとても惜しかったのです
けれど、幼稚園に入園してからは、母親に待合室で待っているようにいい、自分一人で治療室に入り、そしてちゃんと口を大きく開けて診ていただけるようになったと聞いています。
ですから、私も歯医者さんに元気に行きました。
「歯茎の状態を確かめますから」 「はい、よろしくいお願いします。(神妙に)
こういうとき、口を大きく開けて、小鳥に歯を掃除してもらっているワニを連想するのは私だけでしょうか ?
歯科衛生士さんが、「何番の歯、2」 「次 4」 ・・・ ととがった針のような器具の先が何ミリ歯茎の所に入るかを読み上げていきます。
終わり近くなっていきなり「何番 マル」というのが二つほどありました。
上下で28本ある歯の内、マルは2本しかないのか、とちょっと落ち込んで、「よくない状態なんでしょうか」とお尋ねしました。 私なりに、夜もよく磨いてこの日に臨んだつもりでしたから残念だったのです。
すると、歯科衛生士さんは「いいえ、ずいぶん、いい状態になっていますよ、どうしてよくない状態と思ったのですか?」と逆に尋ねられました。
「マルが少ししかなかったようですから」
その後、歯科衛生士さんの言われたことば 忘れられません。
「ああ、マルというのは、出血している歯茎ということです。以前はマルが多かったのに、今回はほとんどなくなりました。いい状態ですよ」
長く教師をしてきましたから、テストの○、×を思っていたので、○が多いほどいいのだろうと思い込んでいた私は、突然の○の意味の逆転に、どんなにか明るい気持ちになったことでしょう。
今度は、6か月ほど後に点検に来てください と歯医者さんに言われて、帰宅するのは、なんだか無罪放免ですよ、といわれたようで嬉しかったです。
うーん、裁判員制度 難しい問題ですね。 いえ、無理に結びつけるのはやめておきます。
今日もよい日となりますように。
| 固定リンク
コメント