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2009年7月21日 (火)

『銀の雨 堪忍旦那 為後勘八郎』

『銀の雨 堪忍旦那 為後勘八郎』 宇江佐真理 著 玄冬舎 1998年4月15日 第1刷発行

 ※ この記事、21日火曜日の日付なのですが、操作を間違えて、少し早くから公開され てしまいました。お許しください。

 江戸の北町奉行所の同心、為後勘八郎(ためご かんぱちろう)は、犯罪の下手人に対して寛容な姿勢を示すことが多々あり、今回もそうした姿勢を示すので、それを若い役人からなじられている ・・・ 物語の幕開けは、そういう場面なのです。

 全体が5章からなるこの物語、なかなかの名作だと私は思いました。

 こんなくだりがあります。

 大阪の大きな廻船問屋の三男が志を立て、父親に頼んで江戸に支店を出してもらった。いよいよ江戸へ出立の時、父は、関白秀吉自筆の掛け軸を渡し、お金に困ってどうにもならぬ時はそれを売って急場を切り抜けろと言い聞かせた。

 三男は、これは、もう駄目か、掛け軸を売ろうと思う窮地に陥ったこともあったが、妻女にいさめられて歯を食いしばってがんばり、何とか、江戸の店を大きくした。

 父の死後に、お金に困るときが来て、目利きに掛け軸を見てもらうと、何とその掛け軸は、真っ赤な偽物だと判明し、三男は、自分は父に軽んじられていたのだと大いに落胆する。

 話を聞いた堪忍旦那、為後勘八郎は、その三男に言い聞かせる。

 もし、その掛け軸が本物だったら、それを売っても大阪の父親の耳には届かない。けれど、売ろうとして、偽物だったことが分かったら、あんたは父親に「親父、あれは偽物だったじゃないか」と文句を言わずにいられないだろう。

 そうすると、親父さんには、掛け軸をうろうとするほど江戸の店が困窮していることが即座に分かり、助けの手を伸ばす ・・・ 親父さんの親心をわしはその贋作から感ずる。

  してみると、その掛け軸は贋作には違いないが、わしにはお金には変えることの出来ない家宝に思えるが どうだ さすがに親父さんは大阪商人、やり方が奮っておる」  」

 こう言い聞かされて、三男は、いとおしそうにその掛け軸を撫でる ・・・

  いかがでしょうか、はしょりすぎていて原作のよさがお伝えできないかも知れませんが、よろしければ、宇江佐真理の時代小説をお読みになってみてください。

 人にはそれぞれ好みがありますから、もちろんご自由になさってくださいまし。

 今日もよい日となりますように。

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