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2009年9月16日 (水)

『二本指のピアニスト』

 『二本指のピアニスト』 新潮社2007年11月15日発行は、韓国のピアニスト、イ・ヒアさん(1985年生まれ)の母であるウ・カプスンさんが書かれた本です。

 イ・ヒアさんは、あざらし型奇形児としてこの世に生を受け、手の指は2本ずつ、足は膝までです。

 お父さんは、運動神経抜群で、村中から将来を嘱望されていた方だったそうですが、傷痍軍人となって病院生活を送っていたときに、看護師として働いていたウ・カプスンさんと出会われました。

 イ・ヒアというのは、カトリックに伝わるポルトガルの小さな町「ファティマの予言」で知られている聖母マリヤに会った羊飼いの子ども、ヒアチンタにちなんで付けられた名だそうです。

 筆舌に尽くせない苦労を重ねて練習してきたショパンの「幻想即興曲」を新しい先生に聴いていただいたときのことが印象に残りましたので、引用させていただきます。

 黙って聞いていたギョンオク先生は、にべもなく、「ヒアちゃんが今、何を弾いたのか、まったく分からなかったんだけど」

 三年間、それこそ命をかけて練習してきた曲でした。それをこともなげに、一言で切り捨てられたのです。いったい、この先生はちゃんと聞いていたのかしら。私は少し語気を荒げて、「じゃあ、先生ご自身が『幻想即興曲』を弾いてみて頂けますか」

 厚かましいとは、このことです。それでも先生は嫌な顔ひとつせず『幻想即興曲』を弾き始めました。

 先生が弾くその曲を聞いて、私は顔から火がでる思いでした。それは歴然たる『幻想即興曲』でした。

 この先生ならばと、私はヒアのレッスンを即お願いしました。

 ・・・ ヒアさんは、この先生のもとで『幻想即興曲』を二年練習しこの曲をこの曲らしく弾くことができるようになったのだそうです。

 著者自身の乳癌手術、ご主人の肺炎による急逝などなど、大きな苦しみを経ながら、障がいのある子、その家族への励ましとなること、周囲の人の障がいをもつ人への理解が深まるようにと願って、多くの国での公演を親子で精力的に続けておられるとのことです。

 ぜひ、一読くださればと、ご紹介させていただきました。

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 今日もよい日となりますように。

 

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