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2009年9月12日 (土)

筆の力

     空にも、風にも秋の気配が漂うようになりました。

  こういう季節には、本が読みたくなります。もっとも、秋ではなくても小学生のころから大の本好きでした。

  小学校三年生のときの担任の先生はクラスの文集に一人一人のプロフィールを一言ずつ書いてくださり、「ピアノが上手で本の虫」と私のところには書かれていたと思います。

  当時は、リコーダーは見かけず、ハーモニカが一般的でした。この先生は、ドと上のドのところに輪ゴムをはめることでハーモニカを口から離して確かめなくても音の位置が分かるようにして指導してくださったのを覚えています。泥で汚れた足を丁寧に洗ってくださったのも懐かしい思い出です。

Ca390008  『温室デイズ』 瀬尾まいこ著 角川書店 平成18年7月31日初版発行

 作者は、坊ちゃん文学賞大賞、吉川英治文学新人賞などを受賞している人で、1974年、大阪府生まれとのことです。

 この本は、荒れていく学校を舞台に、強烈ないじめにあいながらも学校を休まない生徒、彼女の辛い姿を見るに忍びず別室登校やカウンセリング期間などに通う生徒、やる気のなさそうなスクールサポーターなどが織り成す物語です。

 作者は、学校に勤める講師でもあり、特に生徒の心がよく描かれていると思いました。この作者の他の作品、『卵の緒』、『天国はまだ遠く』など数冊をこのところ読んでいます。そうさせるだけの魅力のある作家だと思います。

Ca390009 『桂子は風の中で』 宮川ひろ著 岩崎書店 1989年12月29日第1刷発行

 群馬県出身で、小学校に勤務 と紹介されています。 このかたの本もこのところ何冊か読んでいます。ずっと以前、数冊を読み、しばらくこのかたのことを忘れていたのですが、その間にたくさんの著作を送り出し続けておられたことに気がつき、経緯を覚えています。

  この本は、主人公、桂子の昭和12年9月から敗戦後三度目の夏までを描いています。父親の炭焼きを手伝い、病弱の母親を助けて働く長女桂子は両親の相次ぐ死にも耐えてけなげに妹、弟たちと生活していきます。

 その時代への郷愁に終わらせない筆力で人間が描かれていることを読んでいて感じました。

  読書の秋 ・・・ まだまだこれからです。 いつも、今度読みたい本がある、そういう生活を嬉しく思います。

 今日も、よい日となりますように。

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