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2010年3月 2日 (火)

河合隼雄さんの世界 ・・・ 大きな山脈

 先日ご紹介した『河合隼雄の カウンセリング入門』 を読み終わって、河合隼雄さんという人は、大きな山脈のような方だなあとつくづく思いました。

 本を見ながらの引用ではなく、あえて記憶を元に書かせていただきます、

□ 引きこもっている青年のお母さんに河合さんが「今度は息子さんに来て もらってください」と話されたところ、次の時にもお母さんだけが来て、息子さんの言葉を伝えたそうです。

 「ぼくがこうなったのは、我が家の悪の根源であるお母さんのせいだから、あなたが行けばいい、被害者であるぼくが行く必要はない」

 それで、河合さんが、「私がこう言っていると息子さんに伝えてください」とある言葉を伝言してもらったら、次回は息子さんが自力で来たそうです。

 さて、どんな伝言内容だったとお思いですか。

 「悪の根源にはわたしは恐ろしくて会えない。でもその被害者になら会えるかも」

◇ カウンセラーに頼らせてしまうのでなく、あくまでもクライエント自身が自分の抱えている問題を理解し、解決に向かうことができるようにするのが役目。

☆ 一番、苦しんでいる当のクライエントは、自らと共に家族をも変えて問題を克服していくすごい力をも持っている。

□ 守秘義務を持っている自分に打ち明けられた秘密があまりにも大きいときには、それを抱え込んでしまわずに、「秘密は守らなければいけないのだけれど、あなたが打ち明けてくれたことはあまりにも重大すぎて、私が聴いただけで終わらせておくことはできない。あなたはどうするのがいいと思いますか」と誠実にクライエントに話して打開の方向をクライエントと共に見つけようとする。

◇ 家族関係の悩みのカウンセラーの大家が「あなた自身の家庭はすばらしいのでしょうね」と言われたとき、じーっと考え込んで「必ずしもそうではない。しかし、私は、自分の家族との確執に苦しんでいる人が、カウンセラーとして他の家族が問題を解決することができるように大きな役割を果たしている例をたくさん知っている」と答えて、会場は深い感動に包まれたそうです。

  河合さんが、フルブライトの留学生としての学びを終えたとき、友人らしい友人ができなかったのが残念と恩師に語ったところ、「そのようだったね、でも心配ない。これからは私があなたの師ではなく友人になりますから」という意味のことを語ってくださったとこの本の結び近くに書かれていて、感銘しました。

 ご自分がフルートを吹いて、ご兄弟と合奏を楽しまれておられた河合隼雄さん ・・・ たくさんの著作をできるだけ読ませていただこうと考えております。 これは、カウンセリングを学ぶということを越えて、人間そのものを深く、広く学ぶ入り口になるだろうと考えています。

 よい日となりますように。

 

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