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2010年3月15日 (月)

『ママでなくてよかったよ』

  『ママでなくてよかったよ 小児癌で逝った8歳 ー 498日間の闘い』

 森下純子  2003年 11月30日第一刷 発行  朝日新聞社 朝日文庫

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  重信(しげのぶ)くんは、6歳の時、横紋筋肉腫というがんにかかっていることが判明し、それがほぼ全身に転移して、苦しい闘病生活の末に召されました。この本は、重信君の母親、森下純子さんが共に歩んだ日々を記して出版されたものです。

 本の題名は、重信君が7歳の時、マルクと呼ばれる骨髄検査を受けたときに、痛みに耐え、ぐったりと疲れ切って病室に戻ってきた重信君がお母さんに語った言葉だそうです。

 点滴につながれた手を伸ばして、お母さんの頭を撫でながら、さりげなく(こんな辛い検査を受けるのが)「ママでなくてよかったよ」と重信君は言ったのだそうです。

 この骨髄検査は、腰骨の中に太い注射針を刺し、骨髄液を採取する検査で、検査後は大人でも2,3日は動けないほど、痛くて辛い検査だそうです。

 わが身を切られるような辛い思いで検査の終わるのを待っていたお母さんに、7歳の子が語った言葉 「ママでなくてよかったよ」

 重信君は、「生きるためだったら、何でもするもん!生きるためだったら何でもやるもん!」と、病に強く立ち向かいました。お母さんの誕生日には「ママ、ぼくのぶんまで長生きしてね」と書いたカードを贈ったそうです。

  看病に疲れ、心労も大きくていたたまれなくなった純子さんがつい重信君に強い態度で向かってしまい「やさしいママじゃない。やさしいママに戻って!」と言われたことなども正直に書かれています。

  重信君が召されてからこの本が書かれるまでに6年間が必要だったそうです。(子どもに先立たれた親は、かなりの期間、何をしても、数学にたとえるとゼロをかけるような状態になることが多いのですね。)

  重い内容の本です。けれど、重いだけでなく、病に懸命に立ち向かった母と子の絆が随所に書かれ、力が与えられる本です。よろしければ、お読みください。

 今日も、確かな歩みを記すことのできる日となりますように。

   

 

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