« 「ようこそ」 | トップページ | 九月の中間点 »

2010年9月14日 (火)

『死ぬという大切な仕事』 三浦光世

『死ぬという大切な仕事』 三浦光世 著  光文社 2004年6月20日 初版第一刷発行

 三浦光世さんは、三浦綾子さんと連れ添って40年を共に歩んだ方です。

  三浦綾子さんが肺結核をわずらい、脊椎カリエスも併発してギブスベッドでの療養生活を送っているとき、「光世」という名前を女性の名と勘違いした方から綾子さんを見舞って欲しいとの依頼を受けて三浦光世さんが病床を訪れたのがお二人の出会いだったとのことです。

 神様は、不思議なきっかけをつくられますね。しかも、三浦光世さんは、綾子さんを洗礼にまで導いて亡くなった綾子さんの幼なじみの前川正さんといろいろな点でそっくりだったのだそうです。

  この本の書名は、綾子さんが天に召されてから、光世さんが書かれたもので、生前、綾子さんが口にしていた「わたしにはまだ死ぬという仕事がある」という言葉からとられています。

  綾子さんの肉親、光世さんの肉親、そして聖書に書かれている人物の死のこと、そして1991年の夏ごろパーキンソン病になり、7年あまりを介護して看取った綾子さんの最期のことなどを丁寧に綴った36編のエッセイがこの本には収められています。

  その一つ一つのエッセイの内容に心打たれました。そして、末尾の藤尾正人という方の書かれた解説にも私はいたく共感を覚えたのです。 こんなふうに書かれています。

   私が三浦光世をただものでないと思い始めたのは、綾子なきあとの・・・光世の働きぶりだ。光世はここ数年、席の温まる間もなく、国内はおろか米国まで、講演に執筆に追われ、それをともかくこなしている。女流作家の死後、その夫でかくまで活躍した人を寡聞にして知らない二つの年輪を持ちつつ、二人が合体し、そして一方の年輪が成長をやめたあとも、光世は伸びつづけていることに、私は彼をただものでないと思う。

  三浦綾子さんが天に召された後も、すてきなご夫妻で在り続けておられるのだな、と読んでいて感ずる本です。

 よき日となりますように。

 

|

« 「ようこそ」 | トップページ | 九月の中間点 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『死ぬという大切な仕事』 三浦光世:

« 「ようこそ」 | トップページ | 九月の中間点 »