« コーラス部の定期演奏会 | トップページ | てっぱん ・・・ 我が家版 »

2011年1月21日 (金)

『左手のコンチェルト』舘野 泉 著

 『左手のコンチェルト』ー新たな音楽の始まりPhoto_3 ー 舘野 泉 著

 佼成出版所 2008年3月30日 初版

第一刷発行

 2002年の1月9日、演奏会の途中で次第に右手が遅れだし、それでも最後まで弾き終えてお辞儀をしてステージを去ろうとしたときに舞台に崩れ落ちたピアニスト舘野 泉さん・・・ 脳溢血でした。

 それから2年半あまりのリハビリ後、左手だけで演奏する舘野 泉さんの姿がステージ上にありました。

 私も、一度、その演奏を聴く機会があり、感銘を受けました。

  本書は、その舘野 泉さんが幼少期からを記し、家族のこと、ピアノのこと、音楽のことを飾らない筆で綴ったものです。

  なぜ、舘野さんが北欧に惹かれ、フィンランドで生活するようになったのか、そのきっかけは、中学生の時に読んだ一冊の本だそうです。

  岩波少年文庫『小さい牛追い』ノルウエーのマリー・ハムソン著  

 著者の夫のクヌート・ハムスンはノーベル賞作家で、都市文化を否定し、農民の生活をした人だそうで、マリー夫人は山の牧場で暮らす一家の物語を、自分の子どもたちをモデルに書いたのだそうです。その四人兄弟の子どもたちの構成が、舘野さん自身と同じだったこともあり、親しみを覚えたことが、舘野さんの心を北欧に惹きつけたとのこと。

 ほかにも要因はあるのですが、後に舘野さんがフィンランドに住むようになるのもこの一冊の本がスタートだったとのことで、不思議な思いになります。

 私も、少年時代にこの本と続編の『牛追いの冬』を読みましたし、つい最近、同郷の尊敬する先輩もこの本を読んでおられたことを知ったばかりでした。

 舘野 泉さんは、左手だけでピアノを弾くようになったことで、音も音楽も半分になったわけではなく、いわば丸ごとの自分が丸ごとピアノに向かって音楽をしていること、多くの作曲家が自分のために作曲してくれていることを心から喜んでおられることが、この書を読むととても直接的に伝わってきます。

 今日も、丸ごとの自分の歩むすてきな日となりますように。

 今日は私の家族の一人の誕生日です。おめでとう、元気に歩んでください !

 

 

|

« コーラス部の定期演奏会 | トップページ | てっぱん ・・・ 我が家版 »

コメント

なつかしい「小さい牛追い」の書名が出てきて感激です。ムーミンパパはboyですから、きっとboyの眼差しでお読みになったと思います。
わたくしはgirlなので 前の年、くしを忘れて 高地の放牧場へ来てしまい、女の子たちの髪がむすばってしまった話など、びっくりして想像範囲を超えていたことなど覚えています。
その同じ本をお読みになられて、北欧の美しさに憧れ、ピアノで表現されるご生涯、しかも闘病~障害を経て復帰されるとはなんと素晴らしいことでしょうか!研ぎ澄まされた感性=魂が肉体を支え、励まし、超えた美しい模範なのですね。
私は、ブラームスが左手を戦争で無くした友人ピアニストのためにかいたバッハ「シャコンヌ」を両手で弾いて のうのうとしてる。。。。。mmmmmmmm

※ ムーミンパパより
 小学6年生の頃に読んだこの本を県立図書館で借りてきて読み直しています。装丁はかわっていますが、石井桃子さんの訳で実に楽しく読めますね。
 『ぐりとぐら』シリーズの作家、中川李枝子さんの後書きによると、中川さんも中学生のときに嬉しく読んだそうです。
 美しいアイヌ刺し子模様のワインレッドの装丁・・・それが1959年に発刊された岩波少年少女文庫でのこの本でしたね。『宝島』や『クリスマス。キャロル』などはブルーの表紙、とも書かれています。
 もともとは『ノルウェーの農場』を春夏秋冬にわたって書かれた一冊を、春と夏『小さい牛追い』、秋と冬『牛追いの冬』と二冊に分けて発刊したのだそうです。
 さて、今日から『牛追いの冬』のほうを読むのが楽しみです。

 小生は、両手でも「シャコンヌ」が弾けず、きゅうきゅうとしています(^_^; 今日もよい日となりますように。

投稿: kei | 2011年1月22日 (土) 00時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『左手のコンチェルト』舘野 泉 著:

« コーラス部の定期演奏会 | トップページ | てっぱん ・・・ 我が家版 »