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2011年2月23日 (水)

『吉右衛門のパレット』 新潮社

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 『吉右衛門のパレット』

 新潮社2000年12月20日 発行

 テレビの「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵役などで活躍の歌舞伎俳優、中村吉右衛門と阿川佐和子の対談、そしてカメラマン稲越功一の長年にわたって撮影した中村吉右衛門の舞台写真が収められています。

 この稲越功一さんは、先年お亡くなりになったのですが、1941年、岐阜県高山市に生まれ、国内外で活躍された写真家です。

  稲越さんは高山の小学校で、児童自身が撮影して持ち寄った写真の展覧会を開くようにされ、今もそれを受け継いで開かれている児童の写真展を稲越さんの奥様が支えておられるそうです。

 さて、本文でおもしろく思ったのは、「まるで歌舞伎役者のよう」といわれるほど好男子揃いの役者さんなのに、中村吉右衛門さんのことばのあちらこちらに容貌コンプレックスが出てくることです。

 中村 : 役者は、一が姿、二は声、三が技で、僕には・・・。

 阿川 : 全部そろっていらっしゃいますね。

 中村  :  僕が傷つくと思って、皆さんそうおっしゃってくださる (笑)

 阿川 :欲張りなんですねぇ、じゃあ、神様がくださると言ったら何を?

 中村: やっぱりようしでしょうか。もっと歌舞伎役者らしい容姿にしていただけたらな、 と思います。 ・・・ 昔の錦絵に描かれているような容姿だったらどんなにいいだろう。

 ・・・ と言う具合です。また、横見得(よこみえ)といって客席と90度横向きになって見得をするとき、僕なんか鼻がなくなっちゃう  とも述べておられます。

 そもそも、人前に出るのがあまりすきではないし、背の高いことも「こんなにでっかい役者はいないし、向いていないや」とヤケをおこしていたら「確かに背の高いのはふりかもしれないけれども、もしあなたがうまくなったら、背の低い人より目立つんだから有利じゃないの。だからうまくなりなさい」と言ってくれる人がいて、励んでこられたのだそうです。

 うーむ、そういう話を聞いて、そうかあ・・・と自信を持つこともできませんが、ずーっと以前、ミニスカートの女王と言われたツイッギーが来日したとき、日本の歌手か女優さんにどうしたらそんなにスリムになれるのですか、と尋ねたそうですから、人は、それくらい自分に自信が持てないものなのかもしれません。 稔るほど謙虚に鳴門言うことかも知れませんけれど。

 そんなことを思いながら読んだ本でした。

 さて、今日も、自分をへりくだりすぎず、過大評価もせず等身大の自分として歩むことができますように。

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