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2011年3月10日 (木)

『奈良少年刑務所詩集』

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『奈良少年刑務所詩集 

 空が青いから白をえらんだのです』

                  長崎出版 2010年6月 発行

 奈良少年刑務所で行われている「社会性涵養プログラム」に作家、寮三千子(りょうみちこ)さんが協力して6回の授業をしたそうです。童話と詩を中心にした「物語の教室」 ・・・ その教室から生まれた詩たちが収められています。

 タイトルになったのは「くも」という題で書かれた詩です。

 誕生日

  小さいころは いつも手を引いてもらったのに

  いつのまにか その手を拒み 避けてきた

 「産んでくれなんて  頼んでない」

 勢い余って そう言ったとき 泣き崩れた母

 

きょうは わたしの 誕生日 

それは あなたが母になった誕生日

産んでくれなんて 頼まなかった

わたしが自分で

あなたを親に選んで 生まれてきたんだよね

おかあさん 産んでくれてありがとう

 授業の中から生まれたこうした作品の一部を「矯正展」で展示したところ、反響が大きく、単行本の刊行がきまったのだそうです。

 こんな未来を  ボクは

望んだだろうか

 こんな未来を  ボクは

想像もできなかった

 こんなボクの どこを

愛せるの?

 なぜ そんなにやさしい眼で見れるの?

 「だいじょうぶ まだ やり直せるよ」って 言えるの?

 こんなボクなのに ・・・・・・

 こんなボクなのに 

 ありがとう かあさん

 寮三千子さんは、この本の紹介されている新聞で、次のように語っておられます。

「犯罪は憎むべきもの。でも彼らを教えてきて、『人は変わることができる』ということを知りました。」

「『おかえり』と温かく迎えてくれる社会があってこそ彼らは更正できます。たとえ心が豊かになって出所しても、モンスター扱いされ、差別を受ければ、また心が折れてしまうかもしれない。『やり直せるから』って皆が言える社会こそが住みよい、幸せな社会ではないでしょうか。

※ この本の紹介されている新聞記事と、数編の詩を教えてくださった方がいます。心に残りましたので、実際の書を手にして読んでからブログにと考えていたのですが、早いほうがいいという心境になり、書かせていただきました。

  私も、この本を手にとって、一つ一つの詩を時間をかけて読みたいと願っています。

 今日という日、自分に寛大で、人に厳しく生きるのでなく、寛大な心で人に向き合うことができますように。

 

   

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