« おせち料理 | トップページ | クリスマス・シュトーレン »

2011年12月21日 (水)

『ピアノの森』21巻

Photo『ピアノの森』 第21巻

 一色(いっしき) まこと 著

 講談社 2011年11月22日 第一刷   発行

  講談社の「モーニング」という本に連載された9回分を一冊にまとめて単行本として発行したコミック本です。

 主人公の一ノ瀬 海(かい)は、ショパンコンクールでショパンのピアノ協奏曲の二曲の内、第1番を弾くことに決め、練習に励みます。

 この21巻は、練習に励んでいるところで終わります。

 長年、一ノ瀬 海を指導してきた師、阿字野 壮介は、ショパンコンクールの決勝を前にしている一ノ瀬 海に、最後のレクチャーをして、それを最終レッスンとしました。

 その内容は、一言 ・・・ 「忘れろ」でした。

 「おまえのモノにしたものは 失くしようがない 私は 私の持っているモノは 全部教えた そしておまえは 必要なものをちゃんと消化して自分のモノにしてきたはずだ! だから 安心して 全部忘れろ! 頭の中を真っ白にして ファイナルに臨むんだ」

「協奏曲は 大勢の職人達との共同作業になる その場で 全神経を研ぎ澄ませてオケの音と呼吸 そして観客 それらとどうコミュニケーションがとれるか それが勝負になるだろう」

「楽譜は何版だ? とか そんなことは もうどうでもいい 99%は学習してきた。 残りの1%は いや 残りの無限大は ステージで 直感で弾け!」

「大丈夫! 自信を持て! 私の教えをなぞらなくても もう おまえは おまえなんだ! おまえはすでに 私の中から 欲しいモノだけを取って 通り抜けた一ノ瀬 海というオリジナルなんだ」「そして ファイナルは 終わりではなく ピアニスト 一ノ瀬 海のスタートなんだ!」

 ショパンのピアノ協奏曲1番と2番それぞれの特徴なども記されています。

 どんな優れた師について学んでも、そのコピーではなく、それぞれの弟子がオリジナルとして独り立ちして歩み始めること ・・・ そのことが大切なのだということを改めて思います。

 これは、何かの道においての師弟関係だけのことではなく、一つ一つの家庭における親子関係もそうなのですね。

 外山滋比古というかたは、人に引いてもらってしか空に飛び上がれないグライダーに終わらないで、内燃機関を自らの内に備えた学び手になることの大切さを説いておられます。

 また、大村はまという長年教師をされ、大きな足跡を記されたかたは、次の意味のことを書いておられます。

 大人が一緒にいるとき、厳しくされて子どもがどんなに泣いても、よい。いよいよ子どもが自分の力で生きていかなければならなくなったときにどうしたらよいかも分からなくて涙を流すことに比べたら。

 2011年も、旬日あまりとなりました。 今日も、よい日となりますように。

 

 

|

« おせち料理 | トップページ | クリスマス・シュトーレン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『ピアノの森』21巻:

« おせち料理 | トップページ | クリスマス・シュトーレン »