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2011年12月26日 (月)

『長い冬』 ローラ・インガルス・ワイルダー

 『長い冬』 ローラ・インガルス・ワイルダー 著 岩波少年文庫 1955年 9月 初版

 異常気象という言葉がよく言われますが、この物語は、1880年から1881年にかけて続いたアメリカの記録的な長い冬を舞台にしています。・・・日本では明治13年から明治14年にあたります。

 インガルス一家はこの長い冬の寒さ、暗さ、貧しさの日々を家族が力を合わせて耐え抜いて、吹雪がおさまってようやく4月に鉄道が再開し、それに乗って届いたクリスマスプレゼントの樽の底から凍った七面鳥が出てきてクリスマスの食卓を囲むところが描かれています。

 昨日、神様は強制はなさらないとブログに記しました。今日は、この物語の中から自由と独立について素朴に、そして見事に書かれた部分を掲載させていただきます。

    ◇  □   ○  ※  ☆  ※  ○  □   ◇

 夏の太陽がジリジリと照りつける中、ローラは父ちゃんといっしょに馬車に乗って、大草原へ干し草刈りの手伝いにゆきました。そして水たまりのふちにジャコウネズミの巣があるのをみつけます。その巣を見て父ちゃんがいいました。 「この冬はきついぞ」

 「なぜ? どうしてわかるの?」

 「冬が寒けりゃ寒いほど、ジャコウネズミが壁を厚くするんだよ」「こんなにどっしりとしたジャコウネズミの家って、いままでにないね」

「どうしてジャコウネズミにそんなことがわかるの、父ちゃん」

「どうしてわかるか、わしにもわからないさ。だけど、あいつらは知っているんだ。きっと神さまがどうにかして知らせてくださるんだろうな」

「なぜ、そんなら、神さまはあたしたちにも教えてくださらないの」ローラはそれが知りたかった。

「それはな」と父ちゃんがいった。「わしらは動物じゃないからさ。わしらは人間なんだ。それだから独立宣言にもあるとおり、神さまはわしらを自由なものにお創りになったんだ。だからわしらはじぶんでじぶんのめんどうを見なきゃあならないってことさ」

「神さまは、あたしたちのめんどうも見てくださると思ってた」とローラは小さな声でいった。

「そうだよ」と父ちゃんがいった。「わしらが正しいことをしているあいだはね。それでな、神さまはわしらが正しい判断をするようにって良心と脳みそをくださるんさ。だけど神さまはわしらにしたいことをおさせになるんだ。そこがわしらとこの世の中のあらゆるものとのちがいさ」

「ジャコウネズミは、自分のすきなようにできないの?」ローラはびっくりしてきいた。

「できないんだよ。どうしてだかわしも知らないけどね。おまえにだってわかるだろ?できないんだよ。あのジャコウネズミの家を見てごらん、あいつらはあんな家を作らなけりゃならないんだよ。・・・・・・ところが人間はいろんな家を建てるのさ。・・・・・・もし、自分の家で雨風がしのげなければ、そりゃ、自分の責任さ。人は自由を持っているうえに、独立しているんだ」

  ◇  □   ○  ※  ☆  ※  ○  □   ◇

 読んでいて、私は、聖書に書かれた譬え話 ・・・ 岩の上に家を建てた人と砂の上に家を建てた人の話を思い浮かべました。

 どちらを土台として選ぶかは、人間にゆだねられています。けれど、その結果を選ぶことは・・・砂の上に家を建てて、岩の上に立てたのと同じ結果を選ぶことは・・・できないのです。

 長くなりました。ここまでお読みくださってありがとうございます。

 おお、今年も今週限りですね。よい日となりますように。

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