« 「でんでん虫のかなしみ」 | トップページ | 子どもは小型の大人ではない »

2012年2月 2日 (木)

フォルクス・メルヘンの特徴  ー グリム童話の解説からー

 山口四郎 訳 冨山房 発行 の『グリム童話』3巻構成は、本文のグリム童話も、それぞれの巻末の解説も優れていると思います。

 山口四郎さんは、東大の独文科を卒業され、中央大学の名誉教授をなさっている方だとのことです。

 その解説で記されているフォルクス・メルヘン(民衆童話・昔話)の特徴について、紹介させていただきます。

1.「対極化」 貧・富・美・醜・善・悪・勤・怠 など、極端なコントラストのかたちで誇張的に示される。 子どもには「対(つい)による思考をする時期があるので、それに合っている。

2.ストーリー展開中心の文学。原則として描写をしない。形容詞も一個。

〈例〉 ある大きな森の中に、一軒の小さな家がありました。そしてそこに、ひとりの魔法使いのおばあさんが住んでいました。

 登場人物の性格も、親切な人物なら、その親切さを抽象的・観念的に言葉で述べるのでなく、具体的に目に見える行動を通して示す。

 これは、主に小学校低学年までの年代の子どもの「具体的思考」に理解されやすい。

3.ほとんどのフォルクス・メルヘンは、いつもハッピー・エンド。

 メルヘンにおける最終勝利者、成功者は常に弱者。子どもたちは大人に対して無意識に圧迫感を感じていることが多いので、メルヘンによってその劣等感、欲求不満を解消させられる。

 『グリム童話 2』の解説は、およそ上記のことを述べ、メルヘンは語ってやってこそ、親と子の伝え合いによってコミュニケーションの基本が形成され、情緒的に安定した子どもを育てると結ばれています。 

 今日も、よき伝え合いで構成されるすてきな日となりますように。

|

« 「でんでん虫のかなしみ」 | トップページ | 子どもは小型の大人ではない »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: フォルクス・メルヘンの特徴  ー グリム童話の解説からー:

« 「でんでん虫のかなしみ」 | トップページ | 子どもは小型の大人ではない »