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2012年2月18日 (土)

絵本『絵牧師館のスイートピー』

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 『牧師館のスイートピー』

ヘンリー・ドナルド 作

舟越カンナ 訳

アン・ロス・パターソン 絵

 すえもりブックス 1991年8月10日 発行

 この本は実話をもとに生まれています。

 1911年2月20日に英国のある新聞にコンテスト開催の記事が掲載されました。に「英国内で最高のスイートピーの花束を栽培したアマチュア園芸家に千ポンドの賞金を贈る。2位は百ポンド、3位は五十ポンド・・・」

 これは、とても気前のいい話だったので、英国では大騒ぎになったそうです。

 園芸で身を立て始めたばかりのアレック青年がスプラストンという村の協会の牧師さんにこの話を伝えたとき、30代のやせて背の高いミスター・フレイザー牧師は、コンテスト会場のロンドンまでの4百マイルの間にスイートピーの花束は枯れてしまうと、乗り気ではなかったとのこと。

 (それで、応募しなければ、この絵本も生まれなかったことでしょう。) 

 フレイザー牧師は、前年にスイートピー栽培の本が出版されたので、それにしたがって花を咲かせた経験はもっていました。アレックス青年の熱心な勧めが、応募するだけはしてみようかという気持ちを引き出しました。審査は1911年7月28日、29日の二日間です。

 コンテストの前評判は上々で、参加者は1万、いや1万5千人にはなるだろうと予想されました。

 ところが・・・6月から記録的な日照りが続き、深刻な事態・・・7月の第一周は完全な雨なし。太陽の強烈な攻撃に、背の高いつるのある草はやられはじめ、スイートピーは乾燥し始めました。くる日もくる日も、輝くばかりの晴天 ・・・コンテストの行われる7月28日は近づいてきます。

 絶体絶命のとき ・・・7月14日に低気圧が前ぶれなくあらわれました。そして、この牧師館の庭を含む限定された範囲に雨が降り、スイートピーの花が咲き始めた22日、太陽がしっとりと湿った空気にやわらげられてその花たちを照らしたのです。

 ・・・ さて、このコンテストには、主催者の予想をはるかに越えて3万8千の応募があったそうです。

 銅メダルを与えられたのは9百・・・ あと103の中から百の銀メダルとベストスリーが決まります。

そして・・・ この絵本が生まれました。

Photo_3 フレイザー牧師と牧師夫人のスイートピーの花束は、優勝と3位を獲得し、今でもこのスプラストン村には当時のことを覚えている人、語り伝えている人がたくさんいるそうです。

 この絵本に、こんな記述があって、それも心に残りました。

 「恥ずかしがりで内気だった牧師夫人は、どうしたら用心深い村の人たちの中にとけ込めるのかを身につけました。ミセス・フレイザーは母親の集まりの司会をつとめ、日曜学校でもかいがいしく働き、習った音楽を生かして子どもたちに歌を教えました。驚いたことに、どうやら自分はこういう生活にぴったりの人物らしいと、だんだん気がついたのでした。」

「ミスター・フレイザーにも発見がありました。こうして自分の庭を持ってみると、ただ庭いじりが好きだというだけではなくて、自分には園芸の才能があるらしいということです。」

 家庭菜園主任に任じられた私にも新たな自分に出会う日がくるでしょうか・・・うーむ、自信が持てません ・・・

 それは、ともかく今日もよい日となりますように。

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