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2012年3月 3日 (土)

『人生にとって大切なことはすべて絵本から教わった』

Photo 『人生にとって大切なことはすべて絵本から教わった』

 末盛千枝子 著

 2010年3月27日 初版発行

 現代企画室

  末盛千枝子さん・・・名付け親は高村光太郎で、「ちえこ以外の名は考えられないから」とのことで表記する文字だけは代えてつけられたそうです。

 この本の内容の何と豊かなことでしょう。最初の章は、あのタシャ・チューダーさんのところを訪れ、一泊させてもらい、ともに食事をされたことから書き始められています。

 まど・みちおさんの詩を英語に翻訳することを美智子皇后さまに依頼し、出版を実現させたり、講演はしないのが原則という安野光雅さんに『即興詩人』の話をしてもらったり・・・行動力、企画力などを備えた一流の文化人と申し上げてよろしいでしょうか。

 すえもり・ブックスの設立者としても国際的な賞をもらうことになる本などを愛情を込めて世の中に送り出してこられました。

 題名は「・・・すべて絵本から教わった」ですが、絵本だけでなく、写真集、心に残った映画などについても愛情を込めて記されています。カトリック教徒であるご自身のクリスチャンネームは、映画にもなったルルドの泉の少女、ベルナデッタだそうです。

 息子さんを15歳でなくされた有国智光さんというお坊さんのことば(2008年10月3日朝日新聞夕刊掲載)も紹介されていて心に残りました。

 ◇  □  ○  ☆  ※   ☆   ○   □  ◇

 有国さんの息子さんは、立ち会っていたお母さんに「ありがとう。みんなにもありがとうって言ってね」「ぼくはもう往きます」と言って亡くなったそうです。

 そのことを記した後で、代われるものなら代わってやりたいという言葉ではなく、有国さんは次のようにかいておられるそうです。

 「彼のつらさは彼にしかわからない。だから息子のつらさに寄り添うのでなく、私自身に投げ込まれている私自身のつらさに寄り添うしかない」「子を失う父であることを楽しもう。子に先立たれる父としてのうのうと生きていこう。そう覚悟しました」

 「小さい悲しみはやがて消えていく。深い悲しみは私を育てる。大きな悲しみは慈しみにつながる」 ・・・  

 ◇  □  ○  ☆  ※   ☆   ○   □  ◇

 この本には、多くの絵本、多くの方々との大切な出会い、めぐりあいなどがいとおしみを込めて綴られています。

 さて、今日も大切な宝物に出会える日となりますように。明日は、日曜日、キリスト教会の礼拝にお出かけくださいますように。

 

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