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2012年4月 9日 (月)

『楽毅』 宮城谷昌光

0002 『楽毅』

宮城谷昌光 著

新潮社 全四巻

第四巻は1999年10月30日発行

 あの諸葛亮孔明が、管仲という人とこの本の主人公である楽毅に自分をなぞらえていたと、あとがきにあります。孔明が憧れを持って自分のモデルとしていたほどの人物ということでしょう。

 楽毅は、その武勇、政治的判断、外交の見通しと実行力などなどに卓越した力を発揮し、弱小国においても忠義の心を貫いて見事な生き方を貫いた人物としてこの本に描かれています。

 

 随所に、引き絞って放たれた矢のような勢いをもって迫ってくる言葉があるのですが、おもしろい体験を私はいたしました。 作者の宮城谷さんが、ご自分の作品から、これぞと思う表現を抽出して編集した本があるのです。ところが、私が「この作品では、この文章だろう」と予想する文が載っていないことが多いのです。 ひょっとすると私は作者がここを読んでほしいというところからはずれたところに惹きつけられているのかも ・・・ かなりの確率でそうなのだなと反省しております。 ← と書きながらも、一度、世に送り出された作品は、作者の意図せぬひとり歩きをするのだ、などと居直っている面もあります。

 

 さて、第四巻では、楽毅とその妻が、自分たちの息子を託す教育者の人選で、この人に、と思う人物で意見が分かれるところが心に残りました。

 教育を頼む相手を見る目が違うようだ、と話す楽毅に、妻は、あなたとわたしでは息子への見方が違うのです と、後へ退かずに食い下がります。ここまで息子を育ててきたのは戦場に赴くことの多い夫ではなく、このわたしだ、ほかのことはともかく、この人選では譲れないとの自負がある ・・・ よろしかったら、この場面だけでも機会がありましたらお読みください。

 

 いえ、作者、宮城谷さんは全部読んでほしい とおっしゃることでしょうけれど。 

 世の中に書物はたくさんありますので、もちろん、どうぞお好きになさってください。 今日も、よい日となりますように。

 

 

 

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