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2012年5月10日 (木)

『龍太 俳句作法 内容と表現』

Photo_2『龍太 俳句作法 内容と表現』

 飯田龍太 著 

実業之日本社 昭和57年4月20日 第四版 発行 

  飯田龍太さんは、俳人飯田蛇笏の四男で、「雲母」の主宰。本書は昭和47年5月から昭和49年2月までの句会の講評を、ほとんど加筆や削除をほどこさず、その日その折の模様をできるだけ忠実に伝えるよう配慮されたもの。

  私は、国語の教師ですが、師について俳句を専門に学んだことはありません。同じ学校に勤務したことのある先輩方には、山口誓子の門下であったり、木俣修の流れを汲む歌人であったり、ご自分で同人誌を主宰される詩人であったり、あるいは高名な書家であったり ・・・とすばらしい方がおられました。 

  「それでも、国語の先生なのですか?」と言われるのではないか、などと勝手に思い込んで、どこかの句会に所属することも、ご近所の書家に入門することもなく歩んでまいりました。ときに俳句を詠もうとすると、川柳か、季語なし五七五(← これは自分向けの勝手な造語です) になる、という特質をかかえております。

 そんな私ですが、この本では、実際に句会に参加しているような臨場感を味わいながら俳句について豊富な具体例をもとに学べたように思います。

 心に残ったところを、少し引用させていただきます。

 ◇  □   ○   ☆  ※  ☆  ○  □  ◇

 句会は常に修練の場であると考えて間違いはない。結局のところ、句会にしろ雑詠の場合にしろ、最後にいえることは、自分自身で自分の作品を評価すること、作品の決め手はこれにつきると思うんです。 ・・・ 互選というものは、お互い手きびしく評価することが、つまりは相手に対する敬意でもあるわけです。

 ◇  □   ○   ☆  ※  ☆  ○  □  ◇

   山ざくら夫婦の仲を滝搏って 雨宮弥紅 

 これはもう抜群に上手いと思った。久々にわたしも言葉を極めてほめたいわけですが、弥紅さんは五年にいっぺんぐらいこういう作品を作るらしい(笑)。

 ◇  □   ○   ☆  ※  ☆  ○  □  ◇

  実は昨日も親しい人に、毎月甲府の例会、東京の例会と、いろいろ喋っているようだが、そのうち種切れすると思って見ているけれど、よくまあつまらんことを続いて云うもんだといわれて、とたんに自信が無くなってしまった。そういわれてみると、なる程もうとっくの昔に種切れになっているんだがそれでも必死にサービスしておる(笑)

 ◇  □   ○   ☆  ※  ☆  ○  □  ◇

  句会で主宰として行う講評は、たくさんの思いをもって集まっている人たちを満足させる内容を含むことが要求・期待されており、プレッシャーも大きいと思うのですが、それぞれの句会の席で選ばれた人の住んでいる地域、句風、職業なども句評に織り込んで明快に、そして言葉、俳句の奥深さをさすがと感じさせる域で講じ続けておられるところに感じ入りました。 

 そういう方が、自身に向けて厳しい言葉を投げかける人と親しくしておられること ・・・互選は相手に敬意を払えばこそ、お互いに手きびしく評価を ・・・ということを実生活でも実践しておられることが浮き彫りになっていて、すばらしいと思いました。句会という世界の一端にふれさせていただいた思いがいたしました。 

 厳しさを併せ持つ温かさを交わし合えるよい日となりますように。

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