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2012年9月26日 (水)

『一所懸命』  岩井三四二 著

0002『一所懸命』 

 著 岩井三四二(いわい みよじ) 

 講談社 2007年1月18日 

 第一刷発行

 作者は岐阜県出身 1958年生まれだそうですから、私より一回り若いかたです。 この作品で1996年小説現代新人賞を受賞し、作家デビューされたそうです。 

 この作品は、斎藤道三と斉藤義龍の戦いが決着するところで結ばれています。

 息子を道三側に人質に取られながらも義龍側について所領も安堵された主人公、福光右京亮(うきょうのすけ)ですが、歴史では、この後、織田信長が道三の弔い合戦に乗り出してくるのですから、つかのまの憩いということになりましょう。

 稲葉城(岐阜城)をはじめ、鷺山城、早田、土居(つちい)、城田寺(きだいじ) ・・・ と、今も続いている岐阜市内の地名とそこに住む人々が登場するので、身近に感じられる作品でした。

 つかの間の憩いの期間ですが、戦いのために遅れた田植えの風景と会話でこの本は終わります。

 一陣の風で、稲の葉が裏返って、一面の緑が浅い色調に変わった。 

「少しばかり田植えが遅れても稲は育つものやな」 

「へえ。それはもう、ありがたいもので」

与三衛門の返事にうなずいて、右京亮は田の畦道を歩いていった。

 主君の命令にとまどいながらも・・・いえ、誰を主君とするかにも迷いつつ才知を働かせて戦乱の時代を生きていく小さな領主・・・時代は異なりますが、今も形を変えてある人生が描かれているともいえましょうか。

 今日も、よい日となりますように。

 

 

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