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2012年9月 5日 (水)

『朝はアフリカの歓び』 

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『朝はアフリカの歓び』

 曾野綾子 著

 文藝春秋社 2012年4月20日

 第一刷 発行

 良くも悪くも曾野綾子らしさが一本通っている生き方・考え方を貫いている作家 ・・・ これが私の曾野綾子観です。別に押しつけるわけではありませんが、あなたもそう思っていらっしゃいませんか?

 でも、それは、曾野綾子さんが自分の在り方・生き方をはっきりと表現し、旗幟を鮮明にして歩んでおられることでもありましょうから、なかなかのかただと思います。

 本書は、1972年に海外邦人宣教者活動援助後援会(JOMOS)を設立し、2012年にその代表を退任するまで、企業などからの大口の寄付金は受け付けず、個人の善意によって届けられた寄付、総額17億7千万円を、どのように考えてどんな用途に贈ったか、そしてそれが正しく用いられていることを見届けに行ってどんな状況だったかなどが明快に記されている本です。見届けに行く費用などは全て自腹だそうです。

 企業やお金持ちの個人を頼らないのは、ある神父が曾野綾子さんに言った言葉に基づくものです。

「曾野さん、こういうお金は一人の人に出してもらわないようにしてください」

「どうしていけないんですか?」

「人を助けるというようないい機会は、一人の人が独り占めにしてはいけないでしょう。多くの人にその機会を分けてあげるようにしてください」

 私はそれまで誰からもそのような言葉を聞いたことがなかった。

 また、別の神父さんの言葉も記されています。

「ボランティアが楽しくなったらやめた方がいい。それは自己満足になっているのだから」とすばらしく鋭敏な釘を刺された記憶もある。

 貧困に苦しむアフリカの現実、けれどすばらしく澄んだ夜明けにも言及されています。

  私はあの清澄と燃え上がるような生命のきざしを見せるアフリカの払暁を見られただけでも、生きてきてよかった。そのために少しは働いて当然だったのである。象徴的にも、「朝はアフリカの歓び」であることを、私は確実に見たのである。

 今日も、素敵な夜明けに始まるよい一日となりますように。

 

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コメント

曾野綾子さんの本の紹介ありがとうございました。本当に良くも悪くも・・・・ですね。一本の太い筋が通った方ですね。曾野さんに水や栄養分を注いでおられる神父さんたちの言葉がすばらしいですね。神父さんたちの信仰の袋からお裾分けしていただきたく思いました。

※ コメント、ありがとうございます。
  私にとって、曾野綾子さんは全部の著作を読んでみよう、とは思わないのですが、時々、この本は読んでみようかという本をお書きになるかたです。ご自分にとても正直に歩んでおられるかたという気がいたします。

  気温が上がる日も多いのですが、だんだんと秋めいてきそうですね。 どうぞ、お健やかでお歩みくださいますように。
 

投稿: ひだのフクロウ爺 | 2012年9月 5日 (水) 02時50分

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