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2012年11月 6日 (火)

『今日を刻む時計』

0002 『今日を刻む時計』

宇江佐 真理 著

文藝春秋社 2010年7月15日

第一刷 発行

  この作者の髪結い伊三次と芸者のお文との物語は、なかなか息の長いシリーズです。おそらく、これが9冊目だと思います。

 

 題の「今日を刻む時計」というのは、あったりまえだぁな、時計が昨日や明日を刻んでどうするとお思いかもしれません。でも、ここに出てくるのは、江戸時代の櫓(やぐら)時計で、分銅を用いて微妙な季節の変化にも対応できるように工夫した、なかなか高価なものなのです。

 作者は持ち主にこう語らせています。相手のことばを省いて持ち主に語り続けてもらいますね。

 「これのお陰で時刻を忘れることはなくなったが、でもねえ・・・」「なんだか寿命が残り少ないよと言われているような気がするのさ」「こうして分銅をずらして一日が始まり、一日が終わるんだよ。最近はその一日が恐ろしいような早さで過ぎて行く。若い頃はあれほど長かった一日がさ。たかが箸屋の親仁(おやじ)が身分不相応な物を手に入れた報いだろうか」

 ・・・ この章は伊三次の息子で絵師の修業をしている伊与太の思いを次のように述べて終わります。  自分は少し大人になったのだろうか。その答えが分からないまま、今日という日が終わろうとしていた。 

 私は、この作者によって丁寧に人間とその情が描きあげられているのを感じ、その作風に惹かれています。 

 芸者、お文の胸のすくような啖呵、そして外見に似合わず、めっぽう、剣術の強い女性も登場するなど、楽しんで読める時代小説だと思います。

 

 さて、今日も、よい日となりますように。

 

 

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コメント

母からボンタン飴をもらいました。
私は、金城学院に通っていますが、
友達に大好評でした(o^-^o)
ごちそうさまでした。

いつも母がお世話になっております☆

投稿: 天の娘 | 2012年11月 7日 (水) 20時53分

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