« ウエルカム | トップページ | ウオーミングアップ »

2012年12月13日 (木)

ことばで伝えることの大切さ

  教育学部の学生さんに「国語科教育法」という講義を二週続けて担当しました。表現することの大切さを伝えるために、新聞に載っていた19歳の大学生の投書を紹介しました。およそ、下記の内容です。

 いつも食事を作ってくれる祖母が「おいしいかい」と尋ねるので、「うん」と返事をしていました。気のない返事に聞こえるのか、祖母は「おいしくないんかねえ」とちょっと寂しそうにしていました。私は、おいしいに決まっているのに、なぜ聞くんだろうと思っていました。

 ところが、ある日、祖母の都合が悪くて、私が晩ご飯を作り、それなりに頑張ったので、食べている父に「どう?」と尋ねました。すると、父は「うん」と一言。・・・そのとき、私は、祖母の気持ちが分かった気がしました。おいしいと思ったら、身内でも、それをちゃんと表現しないと伝わらない ・・・ これからは、祖母に「おいしいよ、とっても」と伝えたいと思います。 

 講義後のレポートに、「この記事を読んで、反省しました。帰宅したら、いつものように食事を作って待ってくれているであろう母に、きちんと心から「ありがとう!おいしいよと言いたいと思います」、というのがありました。 

 次の時間に、そのことを紹介したら、その時間のレポートに「私も、母に煮魚がおいしい、ありがとうと伝えました」との記述がありました。 

 こんなふうに、ことばで思いをきちんと表現し、心が通い合う連鎖が広がっていったら、素敵ですね。 

 私の学生時代には、教師であり、児童文学者であった岸武雄先生が、自作の童話も織り交ぜながら「国語科教育法」の講義をしてくださったのを懐かしく思い出します。岸先生には及ぶべくもありませんが、反応、手応えがあり、嬉しく思っています。 90分の講義のふたこま続きで、喉が不調になりましたら、さっと「どうぞ」と、のど飴を差し出してくれた受講生もいました。 寒い季節ですが、心はあたたかくすごせる幸せを感じました。 

 今日も、心が伝え合え、あたため合えるよい日となりますように。

|

« ウエルカム | トップページ | ウオーミングアップ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ことばで伝えることの大切さ:

« ウエルカム | トップページ | ウオーミングアップ »