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2013年2月16日 (土)

『悩む力』

Photo  『悩む力』 

姜尚中 (カン サン ジュン)著 

集英社 2008年5月21日 

第一刷 発行

  この本の帯にあるように大反響があったそうですから、もう多くの方がお読みになっている本だと思います。

 このところ、「○○力」ということばをよく見かけますね。私は「悩む力」という書名を見たときにムムッ、と思いました。  「悩む力」と「悩まない力」とどちらがいいのかな、などと考えたのです。 

 ・・・ まるっきり悩まない人もすばらしいと思いますが、きちんと悩むべきことに悩み、それでもまじめに歩み続けることが大事なのだろうな、とこの本を読みつつ考えています。

 

 漱石、そして20世紀最大の社会学者と呼ばれるマックス・ウエーバーのぶつかった壁を注視しながら九つの大きなテーマについて述べられているこの本に、私はしばらく時間をかけて向きあいたいと思います。

 それはそれとして、序章の文章を引用させていただきますね。

 「あおい夜空は星の海よー、人の心は悩みの海よー」 ・・・ため息を漏らしながら著者の姜さんのお母さんが口ずさんでいた「アリランの歌詞の一節だとのことです。

 波乱に満ちた悩みの海のような母の一生は、80年の歳月とともに終わりました。人の世の酷薄さにあれほどまでに悲嘆に暮れることのあった母でしたが、晩年は、悩みの海に漂ういくつもの珠玉のような記憶を拾い集め、その中で微睡(まどろ)んでいるようでした。

 今にして思えば、母の抱えていた悩み、その苦悩は、海のように深く、広かったぶん、母は人として生きる価値を見出すことができたのかもしれません。 結局、母は悩みの海に沈淪(ちんりん)しながらも、生きる意味を問い続ける営みを棄てることはなかったのだと思います。  

 芯の強さと切れ味のよさの感じられる文章だと思います。

 今日も、よい日となりますように。 

 明日は日曜日。キリスト教会の礼拝にどうぞ、お出かけくださいますように。

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