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2013年3月 7日 (木)

『岐阜花壇の20年』

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『朝日新聞岐阜版 岐阜花壇の20年』 編者 小瀬洋喜・水口眞砂子・細江仙子

朝日新聞名古屋本社・編集制作センター 平成6年12月25日 発行

 この本には、朝日新聞岐阜版に岐阜花壇が設けられた昭和36年4月から平成5年末までの35年9か月の間にこの花壇に応募された歌の中から、前述の3人の選者が特選に選んだ940首と、それぞれに添えられた選者の評を再編集して収録されています。

 こうした本があることを今回、図書館で手にして、初めて知りました。

 読者からの応募作品をこういう形で出版することは、一度紙面に掲載された作品や記事が刹那的なものとなって消えていくことの多い時代にあって、せっかくの作品とそれを創作した作者の心に敬意を払い、大切にする心がなくては実現し得ないことだと思います。 

 巻末には、掲載した短歌の作者ごとの索引も添えられていて、その丁寧さに、ますます頭が下がりました。 

 この本に、私の学生時代に心理学を教えていただいた師の短歌が数首掲載されていたことに、驚きと懐かしさを覚えました。 その歌の一つと選評を記させていただきます。

 ねむたげに街灯残る街の朝新聞少年未来へ走る  塩津 駿

[選評] 街灯が眠げにぼーっと残っているしらしら明けの街を新聞少年が走る。それ過保護、それ非行少年と騒がしい近ごろの世の中だから、このけなげな少年の姿を作者は「未来へ走る」と見た。健やかに伸びた脚が走る先には、健全な未来が待っていようというもの。祈りにも似た祝福がさわやかだ。

                                   昭和57年2月7日

 この先生が、大学祭のおりにさっそうと乗馬しておられた姿を思い出しました。一冊の本、そして一首の歌のかけがえのなさをしみじみと感じております。 

 今日も、よき足跡を記せる一日となりますように。

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