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2013年6月28日 (金)

サムシング・グレート

0002 『科学の扉をノックする』

小川洋子 著

第3章 命の源〝サムシング・グレート〟のことをご紹介したくて、先日に続いて、この本に再び登場してもらいました。 

 遺伝子の専門家、筑波大学の名誉教授の村上和雄先生のことばを要約しながら引用させていただきます。 

 タンパク質を作るためのDNAは、全DNAの3%くらいしかありません。残りの97%は何をやっているか分からないんです。・・・宇宙物理学者と話をしますと、宇宙でも今分かっているのは3%くらいだそうです。宇宙の世界も、ミクロの世界も分かっているのは3%なのです。

 ヒトゲノムとは人を作るのに必要な最小限の遺伝情報のセットのことで、それは約30億塩基から成り立っています。暗号に使われる言葉は、たったの四つです。ATCGの四文字、その四文字の並びが30億あるんです。全くの偶然に任せていたら4の30億乗だけ可能性があります。それがたった四つで設計図が書かれていて全生物、大腸菌から人間まで、すべて同じ遺伝子暗号、同じ遺伝子暗号解読表を使っているんです。 

 ある時、私は、DNAに書かれたA,T、C、Gの文字を読む技術はもちろんすごいけれど、もっとすごいことがあると気づいたんです。それは、読む前に既に書いてあったということです。書いてあったから読めるんです。書いた人と読んだ人、どちらが偉いか、それは書いた人の方が偉いんです。しかも単に書き込むだけでなく、見事な秩序のもとで整然と休みなくコントロールしている。これは人間の知恵や工夫でできるものではない。人間を超えた存在、〝サムシング・グレート〟の働き、としか言いようがありません。

 今の生命科学は威張っていますけれど、大腸菌にも及ばないんです。世界の富を全部集めても、世界の技術を総結集しても、細胞一個作れない。それは生命科学が駄目なのではなく、細胞一個がいかにすごいかということなんです。まして私たちの身体は60兆個の細胞から成っているんですよ。どうしてそれらが喧嘩もせずに、見事にコントロールされているのか。サムシング・グレートに聞いてみなければ分からないんです。 

 大自然の叡智という言葉がありますけれど、私はサムシング・グレートという言葉を使っています。神様仏様を信じるかどうかは個人の自由です。でも、信じる、信じないとは無関係に、今、皆の中にサムシング・グレートとしか呼べない働きがある。そうでなければあなたの遺伝子が偶然できるわけがない。その遺伝子が見事に働くわけがない。

 物質から命が偶然に生まれたというのは、私は非科学的だと思っています。誰か選ぶ人がいなければ、こんなことは起こりません。ここに私たちが存在しているというのは、奇跡です。私は(50年近く携わってきた)科学の現場からそう感じています。 

 小川さんのコメント 

 科学の現場から発せられる〝奇跡〟という言葉には重みがある。詩や小説や音楽の中で使われるとき、それはもっと頼りなげな響きしか持たない。有限な存在の人間が考えた、幻のようにはかない言葉だ。ところが科学者が口にした途端、それは何ものにも汚されない永遠の強固さを発揮する。この世に確かに真実の奇跡があることを伝えてくれる。

 要約、引用が長くなりました。とても感動したので、ぜひお伝えしたかったのです。 

 今日も、よい日となりますように。

  

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コメント

感動!こちらのブログ7/1に シェアさせてくださいませ。
http://hidaaakyuen-iryou..cocolog-nifty.com/blog/
いつもありがとうございます。

※ ムーミンパパより

 どうぞ。了解です。さすがに梅雨どき、どうぞ、お健やかで。

投稿: kei | 2013年6月28日 (金) 15時00分

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