« やえのドクダミ | トップページ | ほうばずし と ホタル »

2013年6月 4日 (火)

『酒田さ 行ぐさけ 日本橋人情横丁』

0003 『酒田さ 行ぐさけ』 

宇江佐真理 著 

実業之日本社 

2012年1月25日 初版第一刷 発行

 この本には、六つの短編が収められていて、その一つが「酒田さ行ぐさげ」、権助という、北前船で羽振りがよかった人物が、兄貴分だった栄助に言い残したことばを題にした作品です。 かつて、面倒見よく権助を育て、権助から慕われていた栄助ですが、突然、権助は北方の支店に配属替えとなります。

 権助を重荷と感じていた栄助はほっとしたのですが、幾年か経ってその権助は、北方の富豪の娘を嫁にし、夫婦で江戸に出てきて豪遊をして見せたのでした。 ・・・ 権助は、慕っていた栄助が本心では権助を疎んじていることをあるとき知ってショックを受け、しかし、栄助にそれを悟らせずに転属願いを出して都落ちし、その後、錦を飾って見せるために江戸に出てきたのでした。 

 詳しくは書きませんけれど、結びには哀感が伝わってきます。

 六篇とも、作品に登場する人物がよく描かれていると思います。 

 この作者には、ウエザー・リポート、(気象情報)をもじったのでしょう、ウエザ・リポートという本もあります。

 そちらは、随筆といってよいのでしょうか、郷土のこと、交流のある人物のことなどが綴られています。私の好みとしては、江戸時代を舞台にしたときのストーリー、登場人物の心のあや、ひだに魅力を感じています。

 さて、今日も、よい日となりますように。

|

« やえのドクダミ | トップページ | ほうばずし と ホタル »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『酒田さ 行ぐさけ 日本橋人情横丁』:

« やえのドクダミ | トップページ | ほうばずし と ホタル »