『いじめのない教室を作ろう』
小森美登里 著
WAVE 出版 2013年4月30日
第1版第1刷発行
著者の小森美登里さんは元文部科学省のいじめ問題アドバイザー・滋賀県いじめ対策研究チーム会議委員・ NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事
小森さんは、1998年に一人娘の香澄さんをいじめ自殺によって失っておられます。 今までにいじめ問題や暴力のない優しい社会作りのために全国の学校や教育委員会などで1000回以上の講演を行い、展示会、学習会などを開催し続けておられるとのこと。
表紙の見返しにこう書かれています。
「一番安心できる居場所は、変わらずに残しておきたかった。いじめ被害に遭っていることを家庭の中に持ち込みたくなかった。だから、親にだけは話せないんです」 ある女子高校生は、そう打ち明けてくれました。 子どもたちは、先生が救ってくれることを、心から願っているのです。
本文には、娘さんが自殺する四日前に語った「優しい心がいちばん大切だよ」ということば、亡くなった娘さんとすべての子どもたちに向けて著者の美登里さんが書いた「生まれてきてくれてありがとう」という詩、いじめの予防についてのワークショップの具体的な進め方などが書かれています。
子どもを救うには、先生を救うべきです という章も心に残ります。深い悲しみを直視して、責任の所在より、問題を共有してすべての人が向き合い、再発防止策を作っていくことを提言しておられることに頭が下がります。
エピローグを含めて109ページの本ですが、とても大きな願いを込めた書です。
今日が、すべての子、すべての大人によい日となりますように。
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