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2013年6月18日 (火)

『科学の扉をノックする』

0002_2『科学の扉をノックする』

小川洋子 著 

集英社 2008年4月30日 第1刷発行

 「博士の愛した数式」という本を読んだり、同名の映画を見られたりしたかたは少なくないと思います。小川洋子さんは、その作品の原作者なんですね。

 文学者であって、数学、科学に関心、造詣の深い方なのだと、この本を読んで痛感しました。

 国立天文台に足を運び、あの冥王星を太陽系の惑星から準惑星という新しい種族の代表に据えることにしたその原案作成に携わった専門家に詳しく学ぶのが第一章・・・「宇宙を知ることは自分を知ること」です。

彗星学者、渡辺潤一先生は、ネクタイが星模様で、たまたまアテネオリンピックの話題になったとき、小川洋子さんが夏のアテネの夜空に見える星座を尋ねると、星座の早見盤が付いている腕時計をピピッと操作し、「こと座ですね」と即答されたそうです。

 第二章、「鉱物は大地の芸術家」では、鉱物科学研究所の堀秀道所長がズボンのベルト付近からルーペをさっと取り出し・・・日常、ルーペは5秒以内で取り出せるとご自身の著書に書いておられるとおりだったそうです・・・西部劇に出てくるガンマンの早撃ちのようだったと書かれています。 

 こういう具合に、その道を深く追求しておられる方が登場し、しかも、その人間的魅力と語られる内容を小川洋子さんが分かりやすく書いておられ、科学の奥深い世界へと導いてくれる本です。 

 この堀秀道所長は、中学時代の夏休みに河原の石を50個ほど携えて上野の科学博物館に教えを受けに訪れたところ、「たいていの人はいくらたくさん拾ってきても、種類はほとんど同じだが、君のは全部違う。見どころがある」と褒められたとのこと。

 ご本人は、目が利くのは石だけで、人を見る目はありません。刑事には絶対なれません、とおっしゃっているようです。 

 楽しく読み進め、科学の世界に入り込めます。よろしければ、どうぞ。  

 宇宙のことでまだはっきりしていないことは「ダーク」と呼ばれ、はっきりしていることは多分3%ほどだそうです。生物についても、明らかになっているのはやはり3%ほどで、素晴らしい仕組みを持つ生命体が偶然に存在することになったと考えるのは非科学的だとおっしゃる科学者が多いのだそうです。そこにサムシング グレート の存在を感ずるとこの本の中で語っておられる方があります。

 今日も、楽しみながら奥深い学びの世界が展開される日となりますように。

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