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2013年8月27日 (火)

『俳句脳』 その2 遣らずの雨

 遣らずの雨・・・ (やらずの あめ)という表現について、ご存じの方は多いと思います。この本で俳人の黛さんが書いておられることを、ぜひ紹介させてください。

言葉の力

 韓国を歩いた時、途中で出会った韓国人の男性が、私が日本人だとわかるとすぐに「〝遣らずの雨〟という言葉を知っていますか?」と訊いてきました。知っていると応えると、とても愉しそうな顔をして、久しぶりに「遣らずの雨」をしっている日本人に会ったと言うのです。そしてこんな話をしてくれました。

 反日教育を受けて育った彼は、とにかく日本が嫌いだったといいます。ところが今から30年ほど前、出張でどうしても日本へ行かなければならなくなり、10日ほどの仕事を済ませ、ようやく韓国へ帰れるという日、空港へ向かう途中で突然雨が降り出したそうです。同行していた日本側の担当者は雨を見てこう言いました。「遣らずの雨ですね……。日本人はこういう時に降る雨を遣らずの雨と呼んで、あなたを帰したくなくて雨が降り出したと思うのですよ」と説明してくれたそうです。

 そんなに詩情あふれる繊細な言葉を育んできた民族が、自分が教わったような、ただ残酷で悪い民族であるはずがない。彼の反日感情はその一言で俄(にわか)に溶けたのだそうです。以来日本人の悪口をいう韓国人に会うと、必ず遣らずの雨の話をするのだとその男性は言っていました。これこそ文化外交ではないでしょうか。 

 感激して引用が長くなりました。おゆるしください。 

 今日も、よい日となりますように。

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