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2013年10月 6日 (日)

『ピアニストの脳を科学する』ー超絶技巧のメカニズムー

0002 『ピアニストの脳を科学する』

古屋晋一 著

春秋社 2012年1月20日 初版第1刷 発行

 著者は大阪大学基礎工学部卒業後医学系研究科にて医学博士の資格を取得。ピアノ演奏歴としてKOBE国際学生音楽コンクール入賞、兵庫県美術館にてリサイタル。 

 現在「音楽演奏科学」の確立に力を注いでおられるかただそうで、幅広さが感じられますね。 

 モーツアルトを聴くと頭が良くなる というブームについても検証し、一時的にIQが高くなることが分かりました。

 ただし、モーツアルトに限らず、シューベルトの音楽なども効果があり、詩の朗読によっても効果があることも分かったそうです。 

 6歳児でピアノ・声楽のレッスンを受けた子どもは音楽能力と他の認知機能の向上が見られ、演劇のレッスンを受けていた子どもは「他人との協調性が特に向上する」という結果が一年間のレッスンをもとに研究したシェレンバーグという博士の研究成果があるそうです。ただし、なぜそういう傾向が出てくるかについてはさらに研究をする必要があるとのこと。

 興味深かったのは、ピアノに向かって、初めての楽譜を見ながら演奏する初見の力がある人には少なくとも次の六つの条件が備わっていることが書かれていたところです。

1.15歳までの初見演奏の練習量が多い

2.左手を右手と同じくらい器用に使える

3.楽譜上の視覚情報を素早く処理できる

4.楽譜を見て音を正確にイメージできる

5.ワーキング・メモリが大きい  (ぱっとみたものについての短期記憶の量が多い)

6.適切な指使いを素早く決めることができる 

 この6番目のことは、書かれているとなるほどと思うのですが、とっさには思いつかないことですね。 

 一番参考になったのは、ピアニストとピアノを弾かない人の違いは、指の力の強さや指を動かす速さではなく、長年の練習の成果を貯えている脳の働きの有無にあるということです。身体を動かす指令は脳から出ていることを考えると、確かにそうでしょうね。 

 さて、私のこのささやかなブログがきっかけになって、幼児からのピアノや声楽レッスンブームが起きたり、モーツアルトと並んでシューベルトのレコードが売れ始めたりするというようなことは・・・つまり、テレビである食べ物がダイエット効果がありそうと報じられるとたちまち品薄になったような現象が起こる懸念はないと思います。

 でも、少し書き添えさせていただきますと、子ども、特に幼児期に大切なのは、保護者初め、周囲の大人が子どもに明るく、温かく話しかけ、そしてやさしく受容的に子どもの語ることに耳を傾けることです。これに勝る音楽や物理的環境、ご馳走はないと私は考えています。 これは、学生時代の学び、そして最近、新たに読んでいる脳科学の本、ことばに関する本などから、しみじみと思っていることです。

 今日も、よい日となりますように。 

日曜日、キリスト教会の礼拝にどうぞ、お出かけください。賛美歌、そして聖書からのメッセージなど、質の良いもので魂を満たしてくださいますように。私もそういたします。

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