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2013年10月10日 (木)

『伝書 しむらのいろ』 その2

 志村ふくみさんは、染色、特にその中でも難しい藍色や緑色について、疑問を持ち、解明に努めていたとき研究家・高橋義人さんに会い、それまでは『ファウスト』『若きウエルテルの悩み』の作家として知っていたゲーテの別の面の著書を贈られたのだそうです。

 その本の名は『自然と象徴  ー自然科学論集』(ゲーテ著 高橋義人翻訳 前田富士男訳 富山房百科文庫。

 文豪ゲーテはニュートンの光学を研究すると共に古代ギリシャの哲学も学んでいる科学者でもあったのですね。

 「光のすぐそばにはわれわれが黄と呼ぶ色彩があらわれ、闇のすぐそばには青という言葉で表される色彩があらわれる。この黄と青とがもっとも純粋な状態で、完全に均衡を保つように混合されると、緑と呼ばれる第三の色が出現する」

 井村さんは、ゲーテのこの文をこう理解しました。

 藍甕の中〔闇)から引き揚げた糸が、一瞬空気に触れて(光)緑になる。しかしその緑はすぐ消える、緑色の葉を炊き出して染め絵も緑は染まらない。これらの現象をゲーテは見事に解きあかしてくれた。現象界にとどまることのできない緑、それは第三の色だからである。ただ黄と青の混合によって得られる緑は現世にとどまることができる。この事実を私は自分の仕事場で日々目前に見ていることに気づいた。 

 和の世界で染色をしている志村さんの問いが、西洋のゲーテによって解明される・・・何ということでしょう。 志村さんは、シュタイナーのことばにも出会って、さらに思索を深めておられます。

 うーん、実は私には玄妙すぎて理解するのが困難なのですが、和洋、そして漢を問わず、大切なことを人間は問い続け、思索し続け、行動し続けてより深い真理、境地へと進んでいくのではないかと、心打たれました。

『伝書 しむらのいろ』のグラビアから、三代目、志村洋子さんの作品「聖グレゴリウス」2002年作 を、画像の容量も小さくなって申し訳ありませんが、その雰囲気の片鱗なりとお伝えしたくて引用紹介させていただきます。

 今日もよい日となりますように。

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