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2013年10月 9日 (水)

『伝書 しむらのいろ』 志村ふくみ

0004『伝書 しむらのいろ』

志村ふくみ著

求龍堂 2013年3月21日 発行

 志村ふくみさんは、滋賀県生まれの染織家・随筆家です。

   以前、国語の教科書に志村さんの文章が掲載されていて、その内容は およそこうでした。

 桜の咲く直前の桜の木の幹から得る染料が最も美しい桜色を発色する・・・木全体が桜色の花を咲かすことに総力を結集して美しい桜が咲くのだと思う。人の発する言葉も、そのようにありたい。

 文の内容の意訳になっていますがお許しください。

 伝書 ・・・ 志村さんは、お母上の小野豊さんに染色を学ばれ、志村さんの娘、洋子さんがこの道に入られましたので、三代にわたって引き継がれている染色と織りの心とわざということの込められている書名なのだと思います。

 この本で知ったのは、日本の色と色名がとても広くて深い世界を形成していること、そして藍色を染めるのは。「藍を建てる」という表現があるほどたいへんな過程を経てようやく実現するのだということです

 藍甕(あいがめ)の中で生命をはぐくみ、藍を「建てること、染めること、守ること」の三つが出来てはじめて「芸」となるのだそうです。

 志村さんのお母さんは「日本の藍ほど精神性の高い藍はない」とおっしゃっていたそうです。

 織物を初めて10年近く経った頃の志村さんには次第に深まってきた二つの疑問があったとのこと。

1.「植物から緑が染まらない」「咲いてしまった花からも色が染まらない」

 最も染まりそうなものから染まらず、およそ染まりそうもない幹や根からなぜ鮮やかな色が染まるのか。

2.藍建て 「なぜ甕からひきあげた瞬間の緑がすぐに消えてしまうのか、黄色と藍をかけ合わせた時のみ緑が定着するのか、藍甕の中で蓼(たで)藍の葉が発酵し、命を宿すというふしぎ」

 この疑問は、志村さんがゲーテと出会って解けたと記しておられます。 

 染色とゲーテ ・・・ 不思議に思える取り合わせですね。続きは、明日書かせていただきますね。

 今日も、よい日となりますように。

 

 

 

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