春隣(はるどなり)
三好達治でしたでしょうか。「冬よ 来い 僕に来い 」 と 勇ましい詩を書いたのは。
前向きですね。今の私は、こたつに潜り込んで暖かくしている方が好きですから尊敬してしまいます。
ただし、若いときの私は、かなりの距離を高校に自転車通学・・・当時記憶にある一番冷えた飛騨高山の朝はマイナス19.4度でした。元気に、なかなかの速度で雪道を通っていたのものです。 これからいよいよ寒くなりそうですので、覚悟して生活しなければと自分に言い聞かせています。
ところで、今日の本題 「春隣」という言葉、歳時記には、冬のことを「はるどなり」というと、説明し、俳句が紹介されています。
春近し(はるちかし) 【季語の分類一覧】
春隣(はるどなり) 春遠からじ(はるとおからじ《はるとほからじ》)
「冬-時候」の季語
春がすぐそこにまで来ていること。
玄関に縄跳びの縄春近し 皆川盤水
手囲ひの湯茶のみどりも春近き 岡本眸
六甲の端山に遊び春隣 高浜年尾
春隣吾子の微笑の日日あたらし 篠原梵
膳所にをり雀のこゑも春隣 森澄雄
地を搏つて雀あらそふ春隣 堀口星眠
井戸水に杉の香まじる春隣 福田甲子雄
尾の長き鳥が流れて春隣 大峯あきら
春隣古地図は川を太く描き 友岡子郷
釘箱に小部屋いくつも春隣 平井さち子
またたきて春遠からじ湖北の灯 遠藤若狭男
『角川俳句歳時記 第4版』から引用させていただきました。ありがとうございます。
今のように暖房設備が整っていなかった時代、冬を少しでも元気に、前向きにすごそうとする、先人の豊かさを感じますね。
今日も、よい日となりますように。
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