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2014年2月10日 (月)

歌人 安立スハルさん

 「歌人」と聞くと、こちらとしては、勝手に何となく楚々とした人を思い描く傾向があるのです。この安立スハルさんは、そういう面もあるのですけれど、そうした「歌人」のイメージの枠にとどまらないかただと思います。

 たとえば、こういう歌 ・・・

もう一つの頬を差し出すといふ心になりたることのつひになかりき

 お気づきだと思いますが、この歌のもとにあるのは、聖書の言葉なんですね。

  わたしはあえて言いましょう。 暴力に暴力で手向かってはいけません。 もし右の頬をなぐられたら、左の頬も向けてやりなさい。

【リビングバイブル】マタイによる福音書5章39節

 安立さんはクリスチャンでは亡かったようですがこうしたことばがあることを十分に知りながら、上記のような短歌をさらっと詠むその在り方が素敵だと思います。 安立さんには上記のほかにこんな歌もあるんですよ

努力さへしてをればよしといふものにもあらずパセリを刻みつつ思ふ 

青々と澄みたるならむヴァン・ゴッホの内に輝きし日本の空

 画家では、ほかにルオー、音楽家ではドビュッシーなどの名前の出てくる歌もたくさん作っておられ、病弱だったそうですが、読まれた書物、学ばれた世界は広く、内面の世界はとても広大だったのでは、と思います。「サザエさん」の作者、長谷川町子さんとどこか通うお人柄のように短歌を読ませていただいていて感ずるようになりました。 

 

 安立さんは、昭和14年に16歳・・・その頃から短歌を作り始めたかただそうです。今回の歌は、26歳から39歳までの作品413首を収めた『この梅生ずべし』から引用させていただきました。

 今日も、自分らしく生きるよい日となりますように。

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