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2014年2月20日 (木)

『いのちの豊かさ』

0001『いのちの豊かさ』

柏木哲夫・道子 著

いのちのことば社2009年12月10日発行 

 柏木哲夫さんは、ホスピス医、奥様の道子さんは発達心理学、女性学を専門とする教育者です。 

 講演に先立って、哲夫さんは聴衆との垣根をとるために、趣味でたくさん作ってきた川柳を披露して笑っていただくことにしているのだそうです。生と死というテーマで語るにはこうして雰囲気を温めるように工夫しておられるのですね。

 ある新聞の川柳欄に10年間で50回も載ったという川柳歴だそうですよ。 この本にある肥満ネタから二つ。

 「部分痩せ、したい部分が大部分」

 「私って、深みないけど幅がある」

  これに続いて、講演の中身・・・

 「絶対間違いのない統計、それは人間の死亡率100%であるということ」

「多くの人〔2500人ほど)を看取っての私の結論 ・・・人は生きてきたように死んでいく」 ・・・不平を言いながら生きてきた人は、不平を言いながら、感謝をして生きてきた人は、感謝しながら。

 けれど、死を前にして、最後の跳躍をする人と最後の凋落をする人が時におられる。

 深い内容の講演から、少しですがご紹介。「安易な励まし」と「理解的態度」について

 安易な励まし

患者さん 「先生、私もうだめなんじゃないでしょうか」

医師    (内心ドキッとしながら) そんな弱音を吐いたらだめですよ、がん ばりましょうよ」

患者さん 「はぁ」

 これで会話はおしまい

理解的態度

患者さん 「先生、私もうだめなんじゃないでしょうか」

医師   「治らないのではないか、そんな気がするんですね」

                      ↑ ちょっと詳しくすると「いまあなたはだめだと言われましたね。私の理解するところではもう治らないのではないか、そんな気持ちになっておられるような気がするんですが、私の理解で正しいでしょうか」という気持ちを込めて。 

 これが通じるようになると、患者さんのリードによって会話が持続し、患者さんが弱音を吐ききることができるようになるのだとのことです。 

 奥様の道子さんは、発達心理学を学んできて、よく青年期は悩みが多いといわれるが、人生は特定の時期だけに悩みがあるのではなく、人生のどの時期もその時期の悩みがあり、どの時期の悩みが重要だと言い切ることはできないと語っておられます。そして人生の大切な土台は、信頼感だとおっしゃっています。 

 大切な内容を駆け足で紹介させていただいて申しわけありません。

 お二人の講演とその後でのお二人の対談・・・生と死という重い内容なのですが、会場には明るい笑いが絶え間なく起こり、これはこうした内容での講演会にはなかなかないことではないかと司会者が語っています。 

 生かされて 一日一日(ひとひ ひとひ)が晴れ舞台 

 今日も、よい日となりますように。

 

 

 

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