シスター 渡辺和子 『スミレのように踏まれて香る』
渡辺和子 著
朝日新聞社
2012年9月30日 第一刷
以前にもこの本のことを書かせていただいたことがありますが、読み返していて、感銘したものですから・・・
この本は、1970年の第一著作集『人を育てる』(サンパウロ社)を改題し、文庫化したものだそうです。
内容が古くならないところもすごいですね。
75ページにこのように書かれています。
「文明の進歩とともに、人間はだんだん不幸になって行く。なぜなら、それは近代文明というものが、ただ好奇心のおもむくままに、無軌道に発達していて、人間のことを考えていないからである」 ・・・20世紀のはじめに、ノーベル生理学・医学賞を受けた偉大な科学者、アレキシス・カレル博士のことば。
渡辺和子さんは、このことばのあと、次のように記して、「文明と人間の幸福」という章を結んでおられます。
人間にとって、今やもっとも未知なるものは、人間そのものである。文明の進歩を喜ぶとともに、人間についての深い考察と、そのしあわせについての配慮がなされねばならない。
深い思索に満ちたことばだと思います。
今日も、よい日となりますように。
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