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2014年12月30日 (火)

調律師とピアニスト

 テレビで、BS世界のドキュメンタリー 「ピアノマニア ~調律師の〝真剣勝負〟~」を観ました。 再放送とのことですが、ドイツのシュテファン・クニュップファーというピアノ調律師が、バッハの「フーガの技法」を録音しようとするピアニスト、ピエール・ロラン・エマールのデリケートな要求に応えようと、大いに苦心惨憺しする過程を映し出した番組でした。

 ランランというピアニストも登場します。
 その録音が始まる1年前から、この調律師は仕事に取りかかっていました。けれど、不測の事態が起き、それにめげずに飛び回り、とても微妙な調整をし続けます。「いい音だ。一つ一つの音が生きている」と褒められたかと思うと、さらに言葉が続き「音の消え方がクリーンじゃない」 ・・・・うーん、音の消え方をクリーンにするって、どうやればいいんだろう?
 でも、彼は、仕事に打ち込み、こう語ります。「問題が起きて落胆したことは一度もない」
 グランド・ピアノに、彼の苦心の作、特別の反響板を乗せてみましたが、結局、「見た目にしっくりこないものはいい音も出せないんです」と取り下げます。 オーケストラとの協演の時のために作り上げたものなので、独奏の時には向かないのでは、と録音技師が遠慮なく指摘する場面もありました。その後の彼の取り組みに「見事だ」と笑顔で賞賛を送ったのもその技師でした。
 すばらしいプロフェッサーたちなのですね。
 ついに、ピアニストは言います。「シュテファン、私はこの音を夢見ていたんだよ」
これ以上ない最高の褒め言葉だったと、シュテファンは心から嬉しそうに語りました。
  驚いたのは、一流調律師の彼がベストを尽くして調律したピアノが、すべての鍵盤のタッチが均一になるようにと要求するピアニストが演奏した後には、彼の調律したとき以上に均一になっているのだそうです。そのピアニストのタッチがピアノに刻み込まれたとしか説明のしようがないのだと・・・。 演奏を通してピアノを育ててしまうピアニスト 何という奥深い世界なのでしょう。
 2014年も、あと2日。 今日も、よい日となりますように。
 

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