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2015年3月31日 (火)

『ことばのともしび』 2 ー 自 信 ー

 この『ことばのともしび』は、おもにラジオ番組「心のともしび」のために書かれた文章が収められています。その「こころのともしび」は一つのテーマが示されて、カトリックの司祭や、渡辺和子シスター、そして末盛千枝子さんたちが執筆されて、放送されているようです。インターネットで、「こころのともしび」を検索すると、バックナンバーを読んだり、聞いたりすることが出来ます。

 さて、ある期間のテーマは、「自信」でした。 末盛さんの歩んでこられた道の厳しさをご理解いただけると思いますので、それを全文、引用させていただきます。
 自 信
 自信という言葉について語ることは、私にはとても難しいことです。自信どころか、いつも自分の欠点がたくさん浮かんできて、どんなに人に迷惑をかけてきたことかと、身が縮む思いだからです。
 ただ振り返ってみると、私は人生のさまざまな転機に、だいたいにおいて、自分の計画でも希望でもなく、まるで天使のお告げに従うかのように、あちらへ行け、こちらへ行けと言われて、そのまま、困難をともなう道を歩いてきたと思うのです。
 子どもたちが小さいときに夫に死なれたこと、長男が難病を持って生まれてきたこと、その上、やっと見つけた彼にもできるスポーツで怪我をし、脊髄損傷になってしまったこと。そんなときにも、本当に苦しいと思いましたが、不幸だとは思いませんでした。たとえ悲しいことが待っていたとしても、たくさんの幸せもあったと思うからでしょうか。
 私がこのような人生を生きるように選んだわけではありません。ただ逃げなかった。涙を流しながらも、この人生を受け入れることができますようにと、願ってきたのです。人間はどのような環境に生まれるかを選べないのですから、生まれたときから、自分の条件を受け入れて生きるしかないのです。
 そのようにして私は、あちらへ行け、こちらへ行けという声に従って生きてきたように思います。そのことだけが、私にとって自信と呼べるものかもしれません。でも、それが自分の手柄でないのはもちろんです。
          ◇  ○  □   ※   ☆   ※  □  ○  ◇
  二人の子どもさんが小さいときに亡くなられたご主人は、NHKの芸能番組のディレクターとして、「夢で逢いましょう」などを担当しておられ、ある朝、疲れているけれども出勤しようとして「今日はいつもとちがう」と叫んで、廊下にばたんと倒れ、それきりだったとのこと。二人の息子さんは6歳と8歳だったそうです。
 まるで、どこを切っても涙が流れ出すような日々を過ごしながら、末盛さんは子どもたちのために絵本を作られました。それは、『パパにはともだちがたくさんいた』という絵本となって出版されました。
 さて、今週は、あと何回か、この『ことばのともしび』に収められている文章を紹介させていただきますね。
 この本の帯に、谷川俊太郎さんは、こう書いておられます。「末盛さんは神を崇め奉らずに、神と同居している。神をエネルギーとしているから、末盛さんは底抜けに明るい。末盛さんの語彙に、不幸という言葉はない。」
 今日も、よい日となりますように。

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コメント

はじめまして。
いつもお書きになっておられる最後の一文にムーミンパパ様のお人柄を感じ、時々拝見しております。
私もつい最近「こころのともしび」に出逢い励まされる思いをしたばかりです。そしてムーミンパパ様のブログで再び、その時味わった気持ちに気づかされ、さらに印象深く心に刻まれました。末盛先生が翻訳されたゴフスタイン作「ゴールディーのお人形」、「ピアノ調律師」の絵本もご存知でしょうか。私にとって宝物のような二冊です。もしまだでしたら、いつかご覧になっていただけたら嬉しいです。

※ ムーミンパパより
  初めまして。 ペパーミントグリーンさま
コメントをいただき、ありがとうございます。
 「ゴールディのお人形」、そして「ピアノ調律師」を宝物のようにしておられるとのこと、とても嬉しく読ませていただきました。 絵の好きな家内は「ゴールディのお人形」、ピアノを弾くことの好きな私は「ピアノ調律師」を大変好きだからです。

 「おとなりさん」、「わたしの船長さん」、「ブルッキーのひつじ」なども繰り返し親しんでいる絵本です。

 つたないブログですが、どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。   明日から四月 ・・・どうぞ、すてきな日々となりますように。

投稿: ペパーミントグリーン | 2015年3月31日 (火) 16時59分

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