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2015年3月29日 (日)

『数学者の言葉では』 藤原正彦

0003 『数学者の言葉では』

藤原正彦 著
新潮文庫 1984年6月25日 発行
       2006年9月5日 18刷
 藤原正彦さんは、昨日の『旅路』の著者、藤原ていさんの二男、・・・したがいまして、新田次郎さんの二男ということでもあります。
 この本は、題は難しそうですが、難解ではなく理解しやすい文体で大切なことがたくさん書かれているエッセイだと思います。
 威厳を保ちながらも、家族思いの新田次郎さんの親心がほろっと書かれていたり、ガキ大将だった正彦さんが、子分のわたれる渓流にどうしても足がすくんで渡れなくて、面目を失いそうになる事態が起きたりしたことも書かれています。
 それほど急でない流れに足がすくむのはどうしてだろうと考えていたとき、お母さんの『流れる星は生きている』の中に外地からの逃避行の時に川を越すため、大変こわい思いをしたときのことが書かれていて、そのときの恐怖感がトラウマになっていたことに思い至ったという一節もありました。
 日本とアメリカの大学で教えた経験をもとに、両方の学生の違い、教育のあり方の違いを深く掘り下げるなど、幅広く、いろいろな内容に広く、深い見識がちりばめられていて心に残りました。
 とりわけ、多くの人が命を奪われてしまった悲惨な日々のことを昨日ご紹介した『旅路』で読んで、藤原さん親子がすさまじい体験をなさった戦争が二度と起こされることのないように、と強く思っています。
 今日も、よい日となりますように。
 日曜日。キリスト教会の礼拝に、どうぞ、おでかけください。

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