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2015年4月19日 (日)

日本の名随筆 50 『歌』 加藤登紀子 編

0002 日本の名随筆 50 『歌』

加藤登紀子 編
作品社  1986年12月25日第1刷 発行
  この名随筆の出版は、大事業だと思います。第一巻の『花』(宇野千代 編)に始まり、第百巻の『命』(野間宏)まで、100のテーマを設け、それぞれの巻に、たとえば、『歌』では25編の随筆が収録されているのです。
 編者の加藤登紀子さんの「あとがき」を引用させていただきます。
◇  ○  □  ☆  ※  ☆  □
 この夏、高野山という雅なところで水上勉さんと対面する機会があった。・・・水上さんがおっしゃった。
「トキちゃん、君はいいものを選んだな。うたというものは犬をさえ泣かせることが出来る。犬がね、歌を聞きながら泣くのを知ってるかい。それは本当のことだよ。言葉は空しい。歌はそれを越える唯一のものだよ」
 私の胸の奥でギュッとひきしまる想いが走った。 ・・・・・
◇  ○  □  ☆  ※  ☆  □
 
  随筆には、書き手の人柄、人生への構えなどがすっと読み手に手渡されるような魅力があります。
 この本で申しますと、服部良一さんの随筆「青い山脈・銀座カンカン娘」には、大阪の梅田から省線に乗って京都に向かう途中、くっきりと稜線を描く六甲山脈の連峰を車窓越しにながめているうちに、にわかに♪「青い山脈」の曲想がわいてきたこと、昭和23年の秋のことで、買い出しの人たちやヤミ屋らしい連中ですし詰めの電車の中で、数字ばかりのハーモニカの略譜で、忘れないうちにメロディを書きとめたことなどが綴られています。
 また、♪「銀座カンカン娘」を作曲するとき、どういう娘のことかを原案者の山本嘉次郎さんに尋ねたら「ぼくにも、どういう娘かわからんのですよ。でも、調子のいい言葉でしょう、銀座カンカン娘って、あなたが作る主題歌から(映画「銀座カンカン娘」の)登場人物とストーリーを考えます」と澄ました答えが返ってきたそうです。
 実は、このすてきな日本の名随筆集は、尊敬するあるご夫妻からいただいたものです。
 一気には読めませんし、そうするのはもったいないことですので、一冊ずつ本棚から取りだしては息長く楽しませていただいています。 ほんとうにありがとうございます。
 今日も、よい日となりますように。 下の写真をクリックしていただくと、この本に収められている随筆の筆者、タイトルが、少し大きい画像でご覧いただけます。
 日曜日、キリスト教会の礼拝にご出席ください。
Photo

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