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2015年5月26日 (火)

『天才の父 レオポルト・モーツァルトの青春』

0002 『天才の父 レオポルト・モーツァルトの青春』

石井 宏  著
新潮社 2008年5月25日 発行
 モーツァルトの父、レオポルトについては、優秀な音楽の才能を備えた人、厳格で緻密、几帳面な性格でアマデウス・モーツァルトを育てた人と思っていました。
 著者の石井宏さんは、多くの音楽家についてその人となり、経歴、作品、時代背景を把握して何冊もの本を書いておられます。黒柳徹子さんのお母さんについて『チョッちゃん』を書かれたのは、徹子さんのお父さんがヴァイオリニストだったことと関わりがあると思います。
 あとがきに、著者の構想として、五部からなるモーツァルト家の物語を書く予定であることが書かれています。本書は、その第一部にあ、たりレオポルト・モーツァルトの苦労多き青春時代と、思いがけず巡り会ったアンナ・マリアとの結婚、その家庭に7番目の子として生まれた子どもがヴォルフガングと名付けられるところで終わっています。
 この本の中に、お見合いをしているレオポルトが、学生時代に読んでいた哲学書の一節を思い出すところがあります。
愛とは、生ある者を、自分の外にある存在に結びつける力である。
 かなり知性の高い勉強家だったのですね。
 5%の貴族が95%の庶民を下において、課した税金で裕福な暮らしをしていた時代であり、コメディ・フランセーズで1784年に大あたりした芝居「フィガロの結婚」は、その幕切れに全員で
 生まれたときの 運、不運  かたや王様  かたや羊飼い  二人の星は大違い
 知恵才覚が頼みの綱  と 歌う歌があり、 フランス革命の導火線の一つになったと書かれています。
※ モーツアルトが亡くなるのが1791年・・・ 彼が作曲した歌劇「フィガロの結婚」と芝居「フィガロの結婚」との関係は、私は勉強不足で、分かりません。
 ただ、父、レオポルトは、貴族や僧侶に才能を認められ、恩恵を受けながら学び、生計を立て、曲を献呈するなどの活動をしますが、心から相手を尊敬するということばかりではない人物として描かれています。封建制度への不平が強まり、長く続いた体制にやがて風穴が開けられるときが近づいていた時代に生きた人だったのだと思います。
 7人生まれた子で、成人したのは、姉と、神童といわれるようになったヴォルフガングの二人だったのですね。  レオポルトが、南ドイツの人たちは、新生児に母乳はよくない、新生児は母乳を消化できない、とかいろいろなことを言って母乳を与えず、小麦粉を湯に溶いた者や白湯を大量に飲ませたりしている けれど、北ドイツのある地方には母乳で育てる習慣が強くて、赤ん坊の生存率が高いところがある 考えてみれば、動物でも母親は自分の乳で子を育てる。それは神の定めた自然の摂理で、自然なことなんじゃないのかな と、この本で語っています。
 現代では、母乳で育てることができない場合も、よく研究された栄養価などの高いミルクがあります。医学の進歩もあって、乳幼児の死亡率は、モーツァルトの時代よりも格段に低くなってきているのは感謝なことです。
 レオポルトは、乳母を雇うことのできる貴族の家では、生まれた子どもが元気に育っていることにもふれています。 経済的な環境、医療の受けられる状況が、幼い命が育つかどうかに大きく関与していることは、国境を越えて、解決したいことですね。
 話がいろいろ展開いたしました。 
 今日も、よい日となりますように。
 

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