« 関市 菖蒲園 | トップページ | ほうば寿司 »

2015年6月15日 (月)

『音の影』  岩城宏之

0002 『音の影』

岩城宏之 著
文藝春秋 2004年8月30日 第1刷 
  「週刊金曜日」に音楽家をアルファベット順に紹介しつつ、指揮者岩城宏之さん自身を大いに語っているエッセー集です。  
「 I アイ」の項のイヴァノヴィチ・・・「ドナウ川のさざ波の作曲者・・・の項で、思わぬ発見がありました。
 岩城宏之さんは1946年2月末頃、当時住んでいた岐阜県瑞浪市の駅前の映画館のステージで初めて人前で木琴の演奏をしたのだそうです。中日新聞社主催素人音楽コンクール・・・その時の曲が「ドナウ川のさざ波」で、一等賞のおじさんが賞金3百円、振り袖姿でモールアルトの「トルコ行進曲を弾いた女性が2百円、帰ろうとした岩城さんの名前が呼ばれ、何と、予定外の特別賞、5百円 ・・・ これで野球のグローブを買い、弱かった体も丈夫になり、結局音楽家になったのだそうです。
 私が初めてNHK交響楽団の演奏を生で聴いたのが、大学生の時、岐阜市民会館のこけら落としの時で、指揮者が岩城さんでした。
 このほかにも、指揮者ならでは知り得ず、書けないだろうことがたくさん書かれています。たとえば、作曲家ブルックナーは、とても気の弱い人で、ウイーンに出て交響曲を発表したとき、自作の指揮をしなければならなくなったときに、こんなエピソードを残したのでそうです。
 指揮台に立ってオーケストラに「どうぞ、よろしく」と最敬礼した後、指揮を始めずにいつまでもじっとしているので、コンサートマスターが心配して、「どうなさいました?」と尋ねたら小さな声で「どうぞ、みなさまからお先に」 ・・・
 さて、今日もよい日となりますように。

|

« 関市 菖蒲園 | トップページ | ほうば寿司 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『音の影』  岩城宏之:

« 関市 菖蒲園 | トップページ | ほうば寿司 »