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2016年2月29日 (月)

『心の深みへ』 「うつ社会」脱出のために  河合隼雄 柳田邦男

0002 『心の深みへ』 「うつ社会」脱出のために  

河合隼雄・柳田邦男 著
新潮社 平成25年3月1日 発行
 著者のお二人の実に幅広く、そして奥行きの深い、示唆に富む対談集です。
 最初のほうで、心に強く響いてきたのが「悪者探しをするな」という章です。
 河合さんは言われます。ことの大小にかかわらず、何かについて、誰の責任かを問い続けるのは、自分の苦痛をやわらげたいという心の働きであることが多い ・・・ 因果的説明というのは、ともすると直線的な論理になる そういう直線的論理で結びつけるのでなく、全体の構図を見ていけばだいたい説明できる  ←  もう少し詳しく引用させていただきます。
          ◇     □      ○     ☆      ※
河合 おのおのの人間は可能性をもっていますが、ものごとを原因・結果で考える人は、可能性のほうを忘れてしまいがちなんですね。原因・結果を考えて、その場ですぐ過去にもっていくから。 そこから未来まで見ていった場合、(中略)全体の構図が変わっていけばいいわけでしょう。
柳田 個別の臨床の現場に置いては たとえば「親が変わらなければ子どもは変わらない」というような話で封じ込めてはいけないということですね。
河合 それをやるから困るんです。そうすると誰か悪者がつくられる。そうやって悪者をつくると、悪者以外の人はみんな安心なんです。悪者にされた人は気の毒に、まるで地球を一人で背負っているみたいにされて ・・・ そんなことで治るわけないですよ。
   ー 中略 ー
柳田 全体の構図の中から未来を見ていくという点がすごく大事ですね。
河合 構図の中に未来を入れない人が多いんです。原因・結果で過去ばかり見ていると、未来をよくするために問題が起こってきているケースがとても多いのに、それがわからない・・・
           ◇     □      ○     ☆      ※
  河合隼雄さんは、文化庁の長官を務めたこともあり、日本では最高級のカウンセラー、あるいは世界でも上位に入る文化人だと思います。そのかたが、上記に続けて、こう語っておられます。
 河合  たとえば子どもが不登校になった場合、悪者なんか誰もいない。変革にはどうしても苦しみがともなうから、誰もしたくないと思っている。その苦しみをそらすために、みんな悪者を探そうとするわけです。そのときに私がそばにいて、「悪者なんていませんよ。希望はあります」と言い続けていればいいわけです。 ただそれだけ。それが私たちの仕事なんです。
  今日は、特別な日付 2月29日 それもあって、何かスペシャルな内容をお届けできたらと考えていました。
 さて、今日も、よい日となりますように。
  この本の帯に記されている柳田邦男さんのことばを添えておきます。
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