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2016年3月12日 (土)

『ニューヨークのヴァイオリン職人 現代の名器をつくる』

0005 『ニューヨークのヴァイオリン職人』
ジョン・マーケーゼイ 著
中島伸子 訳
白揚社 2011年6月10日 
第1版 第1刷 発行
  史上最高のヴァイオリン職人 ・・・ そういう修飾語でたたえられているのは、アントニオ・ストラディヴァリ ・・・250年以上にこの世を去った人です。
  この本は、そのストラディヴァリの作品を超えようと強い情熱と探究心、そして卓越した技術を備えてチャレンジし続けているニューヨーク在住のヴァイオリン職人、サム・ジグムントーヴィチに密着取材を許されて熱心に探求を続けた著者によって書かれました。この著者は25年の経歴を持つトランペッターでもあるそうです。
 著者は、サムの工房をひんぱんに訪れ、ヴァイオリン職人たちの研究会に同行し、ストラディヴァリの郷里、イタリアのクレモナ村を訪問するなど、ベストを尽くします。
 サムは、木材の選定、乾燥方法とそれぞれの方法に適した乾燥期間、用いる道具、ヴァイオリンの各部の形、寸法、そしてニスなどについて、たくさんの文献を読み、実際に試みて、最善と思われるヴァイオリンを作り上げます。
  注文したヴァイオリニストは、完成を喜び、新しい楽器のできばえに興奮しながら馴染もうと努めます。 そのヴァイオリニストの奥さんは「もう、彼は、ストラディヴァリを売りに出すことができるわ。そうしたらどんなに家計が楽になるでしょう」とジョークを言ったそうです。
 でも、その演奏家の耳の下から聞こえる音楽、音色が最終的にストラディヴァリのほうがお気に召すことになりました。新しいヴァイオリンとそのヴァイオリニストは、恋に落ちることはなかったとのこと。
 ニューヨークのヴァイオリン職人、サムが、著者に語ったのは次の言葉だったそうです。
 ストラディヴァリとぼくには複雑で親しい関係がある。ぼくは潔くストラドに降参するよ。今のところはね。
  この心意気、すてきですね。
  おもしろいのは、このヴァイオリニストがレコーディングに、ストラディヴァリウスと新しいヴァイオリンとを用いてできあがった演奏を聞いて、正確に、どの曲をどちらのヴァイオリンで弾いたのかを聞き分けることができる人はいないのだそうです。
 値段で申しますと、いっぽうは、5百万ドル、いっぽうは現在の製品としては最高の17万ドルの値が付いたことのあるヴァイオリン職人サムの精魂込めたヴァイオリン・・・ なんだか、面白いですね。
 今日も、よい日となりますように。
 明日は、日曜日。キリスト教会の礼拝にお出かけください。
 
 
 

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