ピアノの練習曲を作ったツェルニーは 温かい人だった
『ツェルニー30番練習曲』など、たくさんの練習曲を作ったツェルニーさん ・・・ この練習曲で苦労したので、あまりツェルニーさんは好きではない というかたは おられないでしょうか。 実は、私もその傾向が・・・
『ピアノと向き合う 芸術的個性を育むために』
奥 千絵子 著 春秋社
2010年11月20日 初版第1刷
この本にツェルニーさんについて、こんなことが書かれているのです。
◇ □ ○ ☆
10歳からベートーヴェンにピアノを師事。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番、第五番皇帝を演奏し、特別の評価を得たとのこと。毎週1~2回ベートーヴェンの曲でプログラムを組んで演奏し、ベートーヴェンも同席したそうです。
生来の好みから、人前で演奏することより、教えることにウエイトを置くようになっていったツェルニーをショパンやリストとの交流の面から眺めてみましょう。
ショパンがウイーンに来て初めて訪問したのはツェルニーだったそうで、たびたび二重奏をしたそうです。「彼のどの作品よりも暖かい人物」とショパンはツェルニーを見ていたとのこと。
リストの場合は、こうです。
リストはフンメルに師事するためにワイマールに行く予定だったのですが、謝礼がリストにとっては高過ぎ、ウイーンでツェルニーに師事しました。ツェルニーは彼から謝礼を取らず、楽譜も与え、生活を援助し続けたそうです。
確かに、ショパンのいうとおり、温かい人柄だったようで、ウイーンを訪れる音楽家たちは、かなり彼の世話になったようです。 たくさんの弟子を育て、ベートーヴェンの甥のカールも指導したとのことです。
後年のリストの活躍、音楽史上に記した大きな足跡を考えてみますと、ツェルニーの働きは、とても大きなものに思えます。一人の人の存在は、計り知れないところがあるのですね。
一見、冷たく思えるツェルニーの練習曲集が、温かい配慮に満ちた楽譜に見えてきたように思います。 がんばります。
今日も、よい日となりますように。
日曜日。キリスト教会の礼拝にお出かけくださいますように。
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